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肉芽腫(にくがしゅ)は、好酸球性肉芽腫症候群やEGCとも呼ばれる皮膚病の1つです。この病気は、病変部に好酸球という白血球の1つの細胞が多数認められる事から好酸球性肉芽腫症候群と呼ばれています。

また、いくつかの病型に分類され、それぞれで症状が変わってきます。
今回は、猫の肉芽腫について紹介していきたいと思います。

好酸球と肉芽組織


白血球は、人でも猫でも同じで血液の中の成分で、体を外敵から守る役割を担っています。また、好酸球は白血球の中でも主に寄生虫などから体を守っています。
好酸球は寄生虫などから体を守っている以外にも、アレルギー反応の起きている場所に急行するという役割も担っています。
なので、アレルギー反応を起こした際に好酸球が集まってしまい、特徴的な病変を作るといわれています。

また、肉芽組織はできた傷を治すためにできる滲出性の線維性結合組織で、傷を治すのに十分な大きさに増殖をします。毛細血管や線維芽細胞などから成る結合細胞で、傷の治癒だけでなく、外部から神縫う舌異物などに対しても重要な役割を担っています。
肉芽腫は、この肉芽組織に起こる慢性の増殖性炎に対する病変の1つといわれています。

猫の肉芽腫の原因

肉芽腫の原因はよく分かっていませんが、アレルギーやウイルス、細菌などの感染、寄生虫や蚊による虫さされの過敏症、自己免疫系疾患、遺伝的要因などが関与していると考えられています。

猫のアレルギーとして最も多いのはノミアレルギーです。ノミアレルギーは、ノミに噛まれた際に体内に入り込むノミの唾液に対するアレルギーやノミの糞に対するアレルギーもあります。
その他には食餌性アレルギーやアトピー性アレルギーも起こります。

猫の肉芽腫の症状と病型


肉芽腫は3つの病型に分類されて、症状もそれぞれ変わります。

無痛性潰瘍

無痛性潰瘍は、主に上唇や上顎に赤褐色で光沢のある潰瘍病変がぽっこりと認められ、病変の境目は明瞭で、病原部の周辺は少し盛り上がっています。
また、その中心部はややへこんで白っぽく壊死していることが多く、ときに出血することがあります。
通常は、疼痛や掻痒感を感じる事はなく、メス猫で多く認められる肉芽腫です。

好酸球性プラーク

好酸球性プラークは、脱毛と潰瘍を伴う境界が明瞭な隆起性病変を引き起こすといわれています。また、腹部や内また、脇の下、首、指の間などで病変が起こるといわれています。
境界がはっきりとしないびらんを生じる事もあれば、境界のはっきりとした大きな病変が多数できる事もあります。

好酸球性肉芽腫

好酸球性肉芽腫は主に太ももの後ろや腹部の横側、前肢の外側などに病変が認められる肉芽腫と口腔内に大きな肉芽腫が認められる2つのタイプがあります。
太ももの後ろや腹部の横側、前肢の外側などに病変が認められる肉芽腫は、線状肉芽腫ともいわれ、一直線の線状に病変が起こる肉芽腫で、紅斑や脱毛、フケが認められます。
ただ、掻痒感はほとんどないといわれ、生後6か月~1歳齢頃に認められます。
口腔内に肉芽腫が発症すると、食べ物を飲み込みにくくなったり、水が飲み込みにくくなったりといった症状が認められます。

猫の肉芽腫の治療


肉芽腫は飼い主や家族からの情報と身体検査によって診断する事ができますが、皮膚のソウハ検査やスタンプ検査、真菌培養、血液検査などの検査をする事があります。

肉芽腫の治療としては、アレルギーが関係していると考えられる場合にはアレルゲンの除去を行います。
ただ、猫の場合はアレルゲンを特定する事が難しいといわれるので、再発しやすい傾向にあります。

また、対象療法として合成副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤の投与が施されたり、レーザー療法や外科手術などが用いられる場合があります。
薬剤治療としては、コルチコステロイドの投与が施されます。このコルチコステロイドは抗炎症作用があり、3つの病型のどれにでもある程度の効果が期待できる薬剤といわれています。

猫の肉芽腫の予防


効果的な予防はありませんが、日頃から皮膚を清潔に保つようにしたり、ストレスがあまりかからないような飼育環境を整えたり、ワクチン接種や健康管理をしっかり行う事が大切です。

また、猫の皮膚に病変が起こっていないかを常に観察し、異常があった場合にはすぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。特に口腔内に肉芽腫ができた場合には見つけにくいので、いつもと食餌や飲水の様子が変わっていないかを注意深く観察するようにしましょう。

まとめ

1. 好酸球と肉芽組織は、好酸球は白血球の中でも主に寄生虫などから体を守っています。

2. 原因は、アレルギーやウイルス、細菌などの感染、寄生虫や蚊による虫さされの過敏症、自己免疫系疾患、遺伝的要因などが考えられています。

3. 症状と病型は、無痛性潰瘍・好酸球性プラーク・好酸球性肉芽腫の3つに分類されます。

4. 治療は、対象療法として合成副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤の投与が施されたり、レーザー療法や外科手術などが用いられる場合があります。

5. 予防は、日頃から皮膚を清潔に保つようにしたり、ストレスがあまりかからないような飼育環境を整えたり、ワクチン接種や健康管理をしっかり行う事が大切です。

猫の肉芽腫は、原因についてはよく分かっていないので効果的な予防はありません。
なので、猫を清潔に保ったり、ストレスがかからないようにする事が大切です。また、アレルギーが原因とも考えられているので、猫のアレルゲンとなるものを猫の生活環境から取り除くようにする事も大切です。

(コラム:ペット専門家 クロさん)

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