兄弟げんかやお友達とのけんか。
子どもが成長すると楽しい嬉しいことばかりではなく、怒ったり泣いたり様々なコミュニケーションが増えてきます。
子どもがけんかをしているときは耳を塞ぎたくなることもありますが、お互いの考え方や感じ方に気が付くチャンスにもなります。
子どもの言いつけは解決しなくていい。“代弁”がキーワード
子どものけんかが始まると「○○ちゃんがダメって言った」「先に私がやっていたのに」などと大人に助けを求めてくることがあります。
そのときにどうにか解決してあげたくなりますが、仲裁すると良い悪いと判断することにつながります。大人の判断に子どもが納得しないときは、けんかがなかなか終わらず長引いてしまうことも。
子どものけんかはジャッジするよりも、お互いの気持ちを代弁してあげることが大切になります。5歳頃になると相手の気持ちに気が付き始めます。
けんかはチャンス。5歳になると自分と相手の気持ちの違いを受け入れられる
5歳頃になると自分の気持ちばかりではなく、相手にも気持ちがあることに気が付き始めます。
人と言い合いになったら自分との考え方の違いに気が付き、人に優しくされると嬉しくなることに気が付きます。自分の主張を通したい気持ちももちろんあるので、けんかが多く感じるかもしれません。
けんかは相手の気持ちを知るチャンス。どんなことをされると、どう感じるのか。お互いの気持ちを代弁するだけで、子どもなりに真剣に考えます。自分たちで答えを出したり、なんだかどうでもよくなってきたり。その繰り返しでどんな人なのかが分かっていき、絆が深まっていきます。
絵本を取った?取られた?代弁することで子どもがすれ違いに気が付いた
私が保育士をしていたときのこと。5歳の男の子二人がけんかをしていました。絵本を取ったか取らないかのけんかだったのですが、なかなか折り合いがつかずにいました。
まずは一人一人の話を聞いていき、どんな状況でどんな気持ちになったのかに注目しました。
質問に子どもが答えたら「一人で絵本を見たかったのに、突然絵本を取られた気がしてびっくりしたんだね」「一緒に見ようとして絵本を触っただけなのに、取ったって言われたのが嫌だったんだね」と気持ちを代弁することを繰り返しました。
相手の子には「そう思ったんだって」とだけ伝えます。
するとそれまで怒鳴りあっていた子たちが「そうだったんだ…。」と自分で相手の気持ちを考えていました。そしてお互いに顔を見合わせて「ごめんね。一緒に見よう」と仲直りできたのです。
けんかの最後は「ごめんね」だけじゃない。気持ちの違いに目を向ける方法
気持ちを自分たちで考えていくうちに「ごめんね」と言う場合もあれば、気持ちの代弁を聞いてるうちに「そうなの?」と自分で質問をしていく場合、だんだん笑いがこみあげてきて「もういいや」となる場合など、ときと場合によって子どもたちの反応は様々です。
喧嘩の最後は「ごめんね」だけでなく、状況に応じて変わってくるものだと実感しました。
子どもが相手の気持ちに気が付くまでに時間がかかっても、ジャッジせずに伝え続けることが実際に子どもの心に響きました。
5歳頃の子どもは自分と相手の気持ちが違うことに気が付き始めます。根気強く気持ちを代弁していくのがおすすめです。