アメリカのPreschoolで知った価値観の違いから得たこと

国が違えば、子どもへの接し方も違う?
保育士時代、アメリカのPreschoolの研修に参加したときの体験談をお伝えします。

目次

アメリカの学校での研修は刺激と学びの連続でした

私は高校1年生の時に参加したオーストラリア語学研修をきっかけに、外国に興味を持つようになりました。両親が経営していた保育園で働き始めてからは、外国の幼児教育について学びたい!実際に現場を見てみたい!と思うようになりました。それと同時に、保育園の子ども達に外国で見たこと聞いたこと体験したことを伝え、世界は広いということを知ってもらいたいという願いも強くなっていきました。

いろいろと調べているうちに、カリフォルニアにあるいくつかのPreschool(3~5歳の子どもが通う保育園や幼稚園のようなところ)での研修に何度か参加したり、ハワイの幼稚園や小学校を見学する機会に恵まれました。その後、オレゴンの小学校での日本語アシスタント教師プログラムに1年間参加し、その時にも保育園から高校まで見学する機会を得ました。何でも吸収したかった私にとっては、全てが新鮮で学びの多い時間でした。

日本の園とは違う!という体験もたくさんしたので、印象的だったことを少しご紹介しますね。

できないと言われたらすぐに手伝うべきか?

あるPreschoolでのできごと。3歳ぐらいの子が外遊びをする時に上着を着るよう先生に言われ、その子が「できない」と言うと、先生はサッと着せてあげていました。もちろん、その先生にもよるとは思うのですが、一般的にすぐに手伝ってあげている印象でした。

私は日本で保育士をしている中で、年齢的な発達を考えたりこの子はそろそろできそうと判断したら、服や靴の着脱などすぐに手伝わず自分でやってみるように言葉がけしてきました。少しずつ自分でできることを増やし、できた!という経験を積み重ねてほしいし、日本の園ではそれが当たり前だと思っていました。

だから「なぜすぐにやってあげるんだろう?自分でやらせてみるべきじゃないの?」とびっくりしました。後になって、年齢と共にできるようになることも多いし“自分でやらせるべき”とこだわりすぎて子どものやりたいことや次の遊びなどに影響が出てはいけないなと思うようになりました

廊下をハイハイしている子どもを注意するべきか?

こちらは3、4歳児クラスのできごと。教室を移動する時、ある子が廊下をハイハイし始めたのです。すると、子ども達は次々にハイハイし始めました。そこで、アメリカ人の先生の反応は…。

にこにこと子ども達がハイハイする様子を見ていました。

そのクラスは小学校付属ということもあり、普段から日本人の先生方は3、4歳児クラスの生徒も廊下は一列に並んで歩くよう指導していました。なので、アメリカ人の先生が注意しないことにびっくり!当時の私は「廊下は並んで歩くべきだから、注意しないといけないんじゃないか?」と思っていました。

その先生の意図は分かりませんが、廊下を一列に並んで歩くことを重要だと感じていなかったかもしれませんし、ただ子ども達がやりたがったことを受け入れていたのかもしれません。

“べき”の呪縛にとらわれなくていい

以前の私は「〇〇だからこうするべき」に従って行動することが多かったです。自分の視点ではなく、世間の視点に振りまわされがちでした。だからこそ、生まれ育った国ではないところで暮らすことで価値観の多様性を知ることができ、物事をジャッジせずフラットに見ることができるようになってきました。

子育ては迷ったり悩んだりすることも多いですよね。育児書に書いてあったから。先輩ママが言ってたから。ネットで読んだから。〇才だから。母親だから。こうあるべき。こうするべき。

でも、“べき”にとらわれなくてもいいのではないでしょうか。

いいと思ったら取りいれてみる。合わないと思ったらやめるのも選択の1つ。子どもも自分自身もありのままを受けとめる。気持ちを柔軟にして、子育てしていきませんか?

余談ですが、Preschoolでのお昼寝の時間、子ども達が靴をはいたまま床に敷いた小さいマットに横になっているのも衝撃でした!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

エルティング 孝子のアバター エルティング 孝子 ままとこネットライター/キッズコーチング®エキスパート

アメリカ・オレゴン州ポートランド在住のグローバルキッズコーチ。
国際的な環境で暮らす親子のコミュニケーション力、幸せ力を育むサポートをしている。日米で保育士、児童英語講師、日本語教師として14年間、乳児から中学生にかかわる。その後、着物和文化講師として、アメリカから着物や茶道を通して和の心を伝えている。

趣味はペーパークラフトとティールーム巡り。

2016年生まれの男女双子の母。

目次