保育士をしている中で、私は子どもたちに「優しい子になってほしい」と強く思っていました。しかし子どもに「お友だちには優しくしましょう」と伝えてもけんかはなくなりませんでした。
実は言葉で伝えなくても、子どもが優しくなる方法があったんです。
口で伝えるより伝わりやすい。絵本で優しさを伝えよう
子どもに「優しくしなさい」と言葉で伝えても、子どもには理解できていないような気がしていました。他の子と遊ぶとおもちゃを取ってしまう・すぐに感情的になるなどと感情をコントロールするのが苦手な子もいます。
危険があったときは叱ることも必要になり、叱り方を色々工夫してみても同じです。
そんなときにキッズコーチングで優しい気持ちの伝え方を学びました。それが絵本を通して伝えるということ。
絵本を見ているうちに自然と思いやりの気持ちが育ちます。
優しさとは共感できる気持ち。5歳頃から優しくできるようになります
優しいとは具体的に何ができるようになるかというと、相手の気持ちを想像し共感することになります。この能力は5歳頃に身に付いてくるものです。それより前の年齢では相手を思いやることができません。
5歳頃になるとそれまでしてきた経験をもとに、相手がどんな気持ちになるかを考えられるようになります。例えば叩かれたら痛いよね・大好きって言われたら嬉しいよねという具合です。すると叩かれた子を見て「大丈夫?痛かったね」といたわれるようになります。
お母さんやお友だちに「大好きだよ」とお手紙を書いたり言葉で伝えたりするようになります。この共感する気持ちが優しさなのです。
暴れん坊な子が絵本を見て優しい一言「叩かれたら悲しくなるよね」
保育をしている中で、感情が高ぶるととっさに手が出てしまう子がいました。
ある日のこと、クラス全体への絵本の読み聞かせをしていたら、お友だちの同士のけんかが起きて叩いてしまう場面の描写がありました。
その内容を聞いたその子はなんと「叩かれたら痛いよね。悲しくなるよね」と心配そうな顔で話してくれたのです。
読み聞かせを聞いているうちに絵本の世界に入って、あたかも自分が体験したような気持ちになったのでしょう。絵本が想像力を育んでいると感じた瞬間でした。
絵本の読み聞かせで優しい心を育てよう。親子のコミュニケーションにもおすすめ
絵本を見ていると、まるで自分が登場人物になってストーリーを進めているような感覚になることがあります。子どもも同じで絵本の世界を疑似体験しています。
子ども自身が経験してきたことをもとに相手の気持ちを想像できるのと同様に、疑似体験したこともまた経験となり想像力を育むことができます。
さらに、叱られているようなマイナスな感情を抱いているときよりも、絵本を見ているなどリラックスした状態で学ぶ方が子どもの心に留まります。
絵本を見た感想を伝え合うことで親子のコミュニケーションにもなります。ぜひ子育てに絵本を取り入れて、想像力を育んでみてください。