イヤイヤ期って本当に大変!何をしてもイヤイヤで、こちらのほうがイヤだわ!と言いたくなることもありますね。
でも実はこのイヤイヤを経験することは、子どもの心を育てる上でとっても大切な要素のひとつ。親子で楽になり、かつ子どものやる気をぐんぐん伸ばす関わり方についてお伝えします。
イヤイヤ!自分でやりたい!とごねるのはやる気の証!
お母さまが子育ての大変さを味わう最初の登竜門は、もしかしたら2,3歳ごろから始まるいわゆる「イヤイヤ期」かもしれません。とにかく大人の指示は聞きたくない。なんでも自分でやってみたいのですね。
「時間がない!」「まどろっこしいから私がやってしまった方が早いのに・・!」
そんな風に歯がゆい思いをすることも多いでしょう。
うんうん、分かります!3人息子の母でもある私も、同じ道をそのたびに通り、同じようにヤキモキ、イライラ、ガミガミしてきましたから!!
けれど実は…。可能な限り、その気持ちを汲みとり、叶えてあげることが子どもにとってももちろんのこと、実は親にとっても肝要なことなのです。
子どもにとっても親にとっても、ゴールは「自立」
なぜなら、「自分でやってみたい!」とごねるのは、自立したいという大きな成長へのエンジンが全開になっている状態であり、子どもの自己肯定感を育むのに欠かせない大きな一歩でもあるから。
子育てのゴールは「自立」。親が手を差し伸べなくても子どもが自分で歩いていけるようになること。
そう考えると少し切なく寂しいような気もしますね。ですが自分で自分の道を選択し、切り拓き、問題にも立ち向かい、自分で柔軟に対応して乗り越え、また次のステージに希望を持って進んでいけるということなのです。
実際に思うようにやってみて、失敗して、それを繰り返しながらだからこそ自分でできるようになっていくという道筋は、長い目で見れば結果的にお母さま自身の日々の大変さや負担を軽くする過程でもありますね。
だって、手伝わなくても一人でできるようになるのですから!
こう考えてみると、その時は付きあうのが面倒で、大変さも感じる「自分でやりたい!」時期は、親子双方にとって幸せなゴールに進むための扉でもあります。
まずは、手出し口出しをせずに、思う存分自分でやりたいようにやらせてあげましょう。
具体事例:「自分で靴を履きたい!」
たとえば、上の写真は教室のレッスン後の風景です。
自分で履く!という2歳の女の子。ひとりで頑張っていますがなかなか踵がスポっと入りません。
ギューッと靴を押してみたり、マジックテープの部分を引っ張ってみたり。しばらく自分で試行錯誤したのち、そばでじっと見守っていたお母さんに助けを求めました。
ここでお母さんの出番です。どんな手順で履くのか、じっくり見せていらっしゃいました。できない間も、「うまくいかないね」と本人の気持ちを代弁しながら、共感しながらただ見守っていただけ。
実はこれがポイントなのです。気の済むまで自分でトライしたいという気持ちをまるごと受け入れ、寄り添い見守ること。そして本人が助けを求めてきたら、やり方を教えること。
本人がまだ自分でやってみたいうちに手伝ったり、「そこはそうするんじゃなくてこうだよ」なんて否定されてしまうと、たちまち子どもは反発してしまいます。
もしも癇癪を起こしそうになったら、「そういうときは”手伝って”って言うのよ」と、気持ちの表現方法、語彙を教えてあげましょう。
この翌月から、この女の子は自分で靴が履けるようになりました。
思う存分トライアンドエラーを!
遠回りのように見えるけれど、本人にやりたいように思う存分やらせてあげるということは、結果的に子どもの成長を底上げするのに一番効果的な道でもあるということ。
やってみて失敗したことやうまくいかなかったことに対して、自分自身が歯がゆい思いを抱きながらも同時に納得して周りにサポートを求めるタイミングが来るまで、できる限りじっと見守ってあげましょう。
自分でやってみたい!の時期は、そんなトライアンドエラーを経験しながら自立に向かっているとき。だからこそ、可能な限り付きあってあげることが重要なのです。
とってもシンプルな論理だけれど、一方で親の忍耐力も問われる時間ですね。
自分でできるようになり本人が達成感や自己肯定感にたどり着くための最初の大きな一歩であると同時に、長期的に見れば、お母さまご自身もきっと楽になる方法です。自分で試行錯誤しながら世の中を知ろうと頑張っているわが子を、今日も一番近くで見守ってあげてくださいね。
- イヤイヤが始まったら、まずは好きなようにやらせてみる
- 手出し口出しせずに子どもの挑戦を見守る
- 子どものイライラを代弁して共感を示す
- 「手伝って」という言葉を教えて、子どもが助けを求めるタイミングをキャッチして教える