自分の子どもが優しいとうれしくなります。
でもいくら親が「優しくしなさい」と伝えても、子どもが心から共感しなければ伝わらないもの。子どもに優しさを伝える方法をご紹介します。
優しさを理解するのは5歳。自分中心の視点から他人を思いやる視点へ
兄弟やお友達と遊んでいて、我が子が人に優しくできるとうれしくなりませんか?
優しい気持ちが育つのは5歳から。それまでの時期は相手への思いやりが見えなくても、自己中心的に見えても気にしなくて大丈夫です。心の成長には順番があるのでその時に成長しようとしている力があるので、心配しなくていいのです。
5歳になったら優しい気持ちが育つように、“どんな気持ちになったのか”を子どもに伝えましょう。相手の気持ちを想像する力が優しさなのです。
優しさは想像力。今までの自分の経験が優しさの基盤になる
相手の気持ちを想像できるようになるために必要なのは、子どもの経験値です。
例えばかけっこをしてビリになった子は悔しさを経験したとします。
そうすると、他の子がかけっこでビリになっているのを見て「私がビリになったとき悔しかったからあの子も悔しいだろう」と想像できるようになります。
そうやって人の気持ちを自分のことのように想像できてはじめて、応援したり励ましたりできるようになるのです。
自分が経験したことをもとに相手の気持ちを想像します。共感すると自分がどうしてほしかったかを考えて行動に移します。これが優しさです。
様々な経験が子どもの優しさの基盤。たとえ悲しかったり辛かったりした経験でも、子どもの優しさの土台になる大切な経験です。
兄弟げんかの仲直り。お母さんはお互いの気持ちを伝えるだけでいい
うちでは兄弟でけんかが起こることは日常茶飯事です。
放っておくとひどく罵り合うこともあります。時に危険なこともあるので仲裁に入らなければならないことが多いです。
以前は「物を取ったあなたが悪いから謝りなさい」なんて言っていましたが、子どもはお互いに言い分があってどっちかだけが悪いことはほとんどありませんでした。
そこで謝らせることをやめてお互いの気持ちを代弁して伝えることにしました。
「まだテレビを見たかったんだって」「時間が過ぎてることを教えたかったんだって」という具合です。すると子どもたちは行動を指示されていた頃よりも、素直に聞き入れることが増えました。さらには相手の気持ちを理解できると、自発的に「ごめんね」と言うようになりました。
責められるよりもお互いの気持を伝えられている方が、子どもたちは穏やかに話を聞き、自分で考えて行動できるようになりました。
けんかも相手の気持ちを知るきっかけになる。そして優しさが育っていく
けんかをしていることにネガティブな印象を持つことがあるかもしれませんが、けんかも子どもの成長には大切な要素です。けんかはお互いの強い気持ちを伝え合います。どんなことをしたらどんな気持ちになるのかを、子どもは経験して学んでいきます。そして自身の経験は後の優しさへと繋がっていくのです。
子どもが優しくなるために必要なことは様々な感情を経験すること。
子どもが経験した喜怒哀楽の感情や気持ちを代弁して言葉にして伝えましょう。「お友達ができてうれしかったんだね」「おもちゃを取られて悲しかったんだね」などと伝えていくと子どもは自分の気持ちが整理されて、同じ状況の子を見たときに共感できるようになっていきます。