子どもが悪いことをしたとき、本当はちょっとした子どもの行動を正したかっただけなのに、つい余計な一言を付け加えてしまうことはありませんか?
私自身も子どもの叱り方は難しいと感じることがあります。今回は、保育園で実践している子どもの心を傷つけない叱り方をお伝えします。
行動だけ叱って人格は否定しないのがコツ
「綺麗に片づけなさい!」と声をかけているうちに
「片付けないならもう買ってあげないわよ」
「いつもだらしないわよね」
という余計な一言を付け足したりしてしまうこと、誰しも経験がありますよね。
私は何度も声をかけているうちに、ついつい余計な一言を付け足してしまって反省することがあります。
よく考えてみると、的確に叱っているのは最初の一言だけだったなと感じることが多いです。たいてい二言目からは必要のないことや、人格を否定するような言葉を言ってしまうことがあります。
最初の一言で的確に「片付けなさい」「ふきなさい」と伝えると、子どもの心を傷つけないで叱ることができるでしょう。
感情的になってしまったら“愛情”を伝えて気持ちをリセットしてみよう
子育てをしているとイライラすることもあるし、カチンときて必要以上のことを言いすぎてしまうことがあるかもしれません。
実は、プロの保育士でも感情的になることがあります。
そんなときは必ず、ギュッと抱きしめてから“怖い顔してごめんね。○○ちゃんができるようになってほしかったから笑わないで言ったのよ”と理由を話しています。
子どもは叱られると大人から嫌われてしまったのではないかと不安になってしまいます。必ず“あなたが大好きだからあなたのために伝えたのよ”と、7秒以上のハグ(愛情ホルモンが分泌されます)をしながら伝えてみて下さい。
それだけで感情的に言ってしまった言葉がリセットされるでしょう。
“嫌われているの?”と傷ついた4歳児が笑顔で行動を正せた方法
私の園では登園したら、自分のリュックを所定の場所へ片付けてから遊ぶルールになっています。
しかし、4歳児のけいちゃんは登園するとすぐにリュックを床に置いたまま遊び出します。先生はタイミングをみて“リュックをロッカーにかけましょう”と声をかけますが、いつもリュックは床に置きっぱなしです。
とても忙しかった日に先生は、“はやく片付けてほしい”と伝えました。その後で、“いつも置きっぱなしだよね・いらないならもらっちゃおう”とついつい過剰に言ってしまいました。
するといつも元気なけいちゃんが必要以上にしょんぼりして悲しそうに「先生、怒ってるの?けいちゃんのこと嫌い?」と泣いてしまいました。
先生は傷つけてしまったことに反省しながら「ごめんね」とギュッと抱きしめて「急いでいたから早くリュックを片付けてほしかったの。けいちゃんのこと大好きだよ」と伝えてあげました。
するとけいちゃんは泣くのを止めて、にっこり笑ってからすぐにリュックを片付けました。それをきっかけに、少しずつ先生の思いに耳を傾けるようにもなったのです。
叱った後に“大好きだよ”の言葉でぐんと絆が深まる
愛情があるから叱るのに、叱った後で子どもを不安にさせては本末転倒ですね。叱った時こそ“いつも大好きだよ”と伝えてあげて下さい。
キッズコーチングでは、叱った後で子どもに安心感を与える魔法の言葉があると言われています。それは“お母さんはあなたが良い子のときも悪い子のときも、あなたのことが大好きよ”という言葉です。
もし、感情をぶつけて怒ってしまった時は7秒ハグ(愛情ホルモンが分泌されます)と一緒に伝えてあげましょう。親子の絆がぐんと深まり、子どもは正しい行動を身につけてたくましく育っていけるでしょう。