多様性の時代と言われて久しいですね。グローバル化もどんどん進むこんな時代だからこそ、自分で考えて発信する力が求められています。
子どもに何かについて「どうして?」と聞かれたことはありますか?そんな時こそ、まさに考える力をアップさせるビッグチャンスの到来です。
〝考える力″はこれからの時代を生き抜くために必須の力
これからの時代はIT化が進み、ますます多様性が求められ、答えのない未来が待っている時代とも言えます。
実際に今の子どもたちが就く仕事は65%が今現在には存在しない職業の可能性が高いとも言われます。
そこで大切になってくるのが “考える力” 。見知った知識を自分で考えて、全く違うことへ一般化させていくという応用力が必要になります。
また、知りたいことが膨大な情報として簡単に手に入る時代に合わせて、様々な情報から取捨選択し、自分の欲しい情報をまとめ自分なりの答えを出す必要性もあります。これからの今まさに “考える力”が必須なのです。
“記憶力”とは違う“思考力”
記憶力とは何かについて学びそれを知識として脳内に蓄える力。それに対して受け取ったり知っていたものから新しい考えを生み出すことを思考力といいます。
日本の教育の中心は少し前までは記憶力中心での学びが多く、詰め込まれたたくさんの知識が求められました。
しかし近年思考力が求められるようになってくると、「記憶力が良いことが頭が良いことではない」と記憶力に対するイメージを低下させているように感じられる場面も多々見受けらるようになりました。
実際はどちらがより必要だと思いますか?記憶力?思考力?
答えはどちらもバランスよく必要なのです。
基礎基本の知識がなければ応用することもできませんし、思考力のエビデンス(根拠)にならないからです。分からないことはまず調べ、必要な知識を吸収した後に自分なりの考えを働かせることで「記憶力」と「思考力」のバランスが取れていきます。
考える力をアップさせてみよう!①~どうして?を一緒に考える親になる~
子どもに「どうして?」と聞かれた時、あなたはどう答えているでしょうか?
子どもの疑問は成長のチャンスです。
わが家では答えがわかっていても、「どうしてだろうね?どう思う?」と子どもが自分なりの答えを最低1度は出してもらうように声掛けに気を付けています。
知っていることはつい伝えたくなりますがそこをぐっとこらえることがポイントです。
そのあとで一緒に調べ考えたり「そういえばこんなことを聞いたことがあるよ」と説明口調にならないように話すとそれを受けて子どもが自分なりの答えを導きだそうと思考力を働かせます。
もう1つのポイントは子どもの「どうして?」に対してその疑問の発見や発想をしっかり受け止めて認めることです。
「へぇ!そんなこと考えた事なかったよ!」
と伝えるだけで、子どもは大人が考え付かなかったことに気づけた自分に嬉しくなり、知的好奇心を高め思考力を上げていきます。
ではちょっとここで考えてみましょう。
⑴「どうしてここにランプが付いているの?」
⑵「呼び出しボタンはどうして他の(一般)トイレにはついてないの?」
あなたなら、どんな言葉を伝えますか?
ここでのポイントは公共施設の質問だからこそ解答を曖昧にしないことです。正しい知識をきちんと知ってもらう必要があります。ぜひしっかりと受け止めて、一緒に考えてみてください。
考える力をアップさせてみよう!②~自分で決める。毎日の積み重ねできる経験~
子どもの中には〝親や友達が「好き」と言うものが良い!″〝どれも良くて決められない″というタイプがいます。自分で決める事が苦手なタイプです。
相手の気持ちに寄り添い合わせることがとても上手な反面、人に流されやすいので決断力と思考力がゆっくりと育ちます。
そんな時は生活の中でなるべくたくさん「どれがいい?」「どっちがいい?」と決めてもらう機会を増やしましょう。2択から始めても構いません。慣れるごとに選択肢をどんどん増やせば、自分で決める事で考える力がぐんぐんついていきます。
最初は
「今日はどっちの服を着る?」
「りんごとみかんどっちを食べる?」
など些細な事から始めても大丈夫です。決められたら
「どうしてそっちにしたの?」
と付け加えてください。そうすると自分の決断を改めて見直すことになり、子どもの思考がさらに深まります。
では、ここでも少し考えてみましょう。
⑴毎日の中で誰に何を選択してもらうことができるでしょうか?
⑵お休みの日の計画を立てます。どんなことを決めてもらうことができるでしょうか?
わが家では毎日の「どうする?」に加えて、一緒に山へ行くことがあるので、子どもに地図を用意することがあります。分岐に来たら案内人になってもらい、どちらに進むか決めて教えてもらうのです。
その時に活躍するのが「どうしてそっちだと思ったの?」という言葉。
違う道を選んだとしても少しの距離なら迷子にも付き合います。本当に迷子になったら命の危険もある事を知っているのでそれは真剣に考えて答えを導き出してくれます。
子どもが親に「どうして?」と聞くのと同じように、親からも「どうして?」と当たり前のように聞くことがあると、自然と子どもに考えようとする力がついてくるのです。