「ねえねえ、話聞いてー!静かにしてー!」
と子どもにいくら呼びかけても耳に入っていないというシチュエーション、日常的にありますよね。
今回はそんなときに試してほしいとっておきの方法です!
身振りによる指示で理解度が増す
大勢の子どもたちが集まると和気あいあいとしていて空気が盛り上がり、大人からの話や指示が彼らの耳に届かないことも往々にしてあります。幼稚園や保育園の先生なら特に、また子育て中のママであっても、普段よく経験する光景ではないでしょうか。
これは好奇心が溢れ、集中力が続かなかったり分散したり、はたまたお友達とのお喋りに夢中になったりする子どもたちの素晴らしい発達であり、喜ばしい姿でもあります。しかし一方で大人からの話を聞いてほしい状況があるのも現実ですね。
そんな時はぜひ、声を張り上げ言葉で長々と説明する代わりに、身振り手振りを大きく付け加えて話の内容をイメージで子どもたちに示しましょう。つまり、ジェスチャーによるサインを送るのです。子どもたちの注目度と理解度が深まる“サイニング”の手法です。

子どもは多くの情報を視覚やイメージに頼っている
人はパッと見てイメージできる視覚からの情報にその多くを頼っていると言われています。
記憶力や注意力がまだ未熟な子どもたちにとっては尚更のこと。よかれと思って大人が子ども達の声より大きな声で話をすると、子どもたち自身がそれに刺激されてしまいがちです。
かえって気持ちのボルテージが上がって落ち着きがなくなり、ざわざわして話を聞いてくれなくなってしまうケースも少なくありません。
そんな時こそ、ぜひ目で見える指示、視覚情報を発信してあげてください。子どもたちに強い印象を与えてあげられる秘訣です。
保育園でのリトミック。大勢の子どもたちがしんと静まる瞬間とは
私は自身のリトミック教室を主宰する一方、保育園の外部講師としてリトミック指導を担当しています。
大人数の子ども達はそれぞれ朝から園内で日常生活を送っており、私がレッスンを始めるタイミングで毎回必ずしも心の準備ができているとは限りません。
喧嘩のあとの不機嫌さを引きずっている子もいれば、きゃーきゃーとプリンセスごっこに興じているグループもいたりする中、リトミックレッスンを始めるわけです。ピアノの音に耳を傾けてほしくてもまずみんなが集中してくれないという状況がたびたび起こります。
そんな時こそ、私はわざと小さな声で話を始めます。聞こえるか聞こえないかくらいの声のボリュームで「夜の森におさんぽ行こう」と言いながら、抜き足差し足、といった忍び足の動作を大げさに見せ、人差し指を口に当ててそーっと歩き始めます。
お化けのポーズを時折挟みながら震え上がる様子も見せ、重ねてそーっと歩く足元を指さして強調します。するとたちまち子どもたちが振り返り「何か面白いことが始まったぞ」とばかり期待を込めてほくそ笑みながら近づいてきます。
こうなったらしめたもの。全員が一斉に静まり返ります。ひとり、またひとりと、足音を立てないように、お化けに見つからないようにそーっと歩きだします。私も子どもたちに目配せしながら、静かにピアノを弾きはじめます。
躍起になって指示を聞かせようとするよりずっとゲーム感覚で子どもたちの心を掴める効果的な方法です。
そーっと歩いている最中に突然、ジャーン!!と低音の不協和音を鳴らし「おばけだー!!!」と怖がらせるとかなり盛り上がります。
おばけを今か今かと待ちわびる子どもたち。
ちらちらとこちらを伺いながら、すっかりピアノに集中してくれます。
私の方が楽しすぎて、わざとなかなかおばけを登場させない意地悪もしちゃいます笑
子どもたちがしびれを切らして、ジェスチャーで「早く早く!」と促してきてくれるのもまた可愛い姿なんですよ。
100の言葉よりたった1つのジェスチャーで子どもの心を捉えよう
このように、身振りでの指示を利用すると理解度がアップする上、見ていないと理解できないので子どもの集中力が高まるという効果もあるのです。こちらが伝えたいことを言葉に乗せてすべて説明するのではなく、視覚情報を送った方が大人にとっても子どもにとってもスムーズなことが多いのです。
大勢を指導している先生だけでなく、興奮してなかなかクールダウンできないわが子へのアプローチとしても効果的です。ぜひ、ジェスチャーゲームのように普段から大人も楽しんでみて下さいね。