“言って聞かせる”のコツは内容よりも見た目
子どもを諭すために何度言っても伝わらない。怒鳴っても伝わらない。
子どもの心の安定のために、うれしいことや大好きな気持ちを伝えたいのに、子どもがなかなか安心感を持てない。そんなことはありませんか?子どもに大切な話をするときに気をつけることがあります。
それは“どんな言葉で伝えるかではなく、どのように伝えるか”ということです。
子どもは視覚と聴覚を使ってコミュニケーションを図っている
子どもは情報の90%近くを言葉以外の視覚や聴覚情報で得ています。子育ての中で、お母さんが大切なことを言っても届かないときは、表情や声のトーンを振り返ってみましょう。
例えば「お友だちをたたいてはいけない」と伝える時に優しいトーンで諭していたり「頑張ったね!」と褒めるときに、感動を力を込めて伝えるあまり真顔になっていたりすることはありませんか?このように内容と表情が一致していない場合、伝わっていないでしょう。
子どもはまずお母さんの表情で理解しているのです。
真剣な話は真剣な表情と低めのトーンで、うれしいときは満面の笑みと明るい声で伝えましょう。
「大好き」の言葉よりもママの笑顔を確認したかった
ある日、夕食の準備中に娘から「ママは私のことが好き?」と聞かれました。「うん、好きだよ。どうして?」と答えましたが「本当に?」としつこく聞いてきます。
私は料理の手を止めて「大好きだよ」と伝えますが、納得しません。
幼稚園で何かあったのかと不安になりましたが、それからやり取りを続けた結果、娘が最終的に言った言葉は「もっとにっこり笑って大好きって言って!」でした。
私はとても急いで料理をしていたので、会話も真顔でしたし、大好きの言葉も真顔で声も適当だったのでしょう。
私は思わず笑ってしまい「好き好きだーーーいすきだよ」と笑顔で伝えました。娘はさっきまでの様子が嘘みたいに「あ、そう!ありがと!」とあっさりと納得したのです。
言葉で脅したり、おだてたりする必要はない。思いっきり演じましょう!
例えば、お友だちとおもちゃを取ったり、たたいたりというトラブルが起こったときに、優しい表情でなだめる方を時々見かけますが、当然子どもは全く意に介していないでしょう。
子どもに善悪を伝えるときに、怒鳴る必要もありませんし、必要以上に厳しい言葉を使って脅す必要もありません。また、過剰に褒めたりおだてたりする必要もないのです。
子どもに社会のルールやお母さんの感情など、大切なことを伝えるときは女優となり「あなたが大好きよ」「そんなことをしたら悲しいわ」と表現しましょう。