私が暮らすハンガリーでは厳しい外出制限が続いていて、幼稚園もオンラインに切り替わりました。オンラインならではの苦労が多い中、幼稚園の先生の子どもたちとの関わり方にはコーチング要素が溢れていました!
ルールを破った子どもへの言葉がけ。気持ちは認めて行動だけを正そう
子どもがその場にふさわしくない振る舞いをしたとき、なんと声をかけますか?
キッズコーチングに出会う前の私は「ダメでしょ」と叱ったり「虫歯になるよ」と脅したりしていました。
ハンガリーの幼稚園の先生はみんなコーチングを学んでいるので、叱ったり脅したりではなく“承認”という方法を使って子どもの行動を正します。子どもの「おやつ食べたい!」という気持ちは受け止めて「いいよ、おもちゃを片付けてからね」と行動を促しているのです。
これはまさにコーチング!むやみに叱るのではなく、そうしたかった子どもの気持ちは受け止めて、行動だけをより良くするために違う行動を促す。
今日はオンライン授業で「ほー」と感心したことがあったので、こちらでシェアしたいと思います。
“承認”=認める言葉がポイント!叱るより効果の高い行動の正し方
ある日のサークルタイム、クラスメイトのHちゃんがトトロのぬいぐるみを持ったまま画面に入ってきました。
幼稚園におもちゃは持ち込まない約束ですが、ここは自宅。オンライン授業の難しいところです。
それを見つけた先生はざわざわしている子どもたちに向かって「みんな!Hがトトロ持ってるよ!」と声をかけました。すると全員が一気に画面に注目。
「今日はトトロも一緒に勉強しましょう。隣にトトロを座らせてね」と言って授業が始まりました。
先生の場をまとめるコーチング力に、そばで見ていた保護者として、ただただ感心しました。
叱るでもなく褒めるでもない。“認める”がニューノーマル
“承認”とはありのままの姿を受け入れるという意味です。「すごい」と褒めたり「上手」と評価したりとは異なります。
子どもは感情が承認されると聞く耳を持つようになります。
反対に否定されると反発してやる気も下がってしまいます。
Hちゃんの例では、もしいきなり「トトロを片付けなさい」と叱られていたら、悲しい気持ちで1日を過ごすことになったでしょう。それではそのあと何をやっても十分な教育効果が得られません。
行動を正す前に感情を承認するのがポイントなのです。
守るべきルールはどこにでもある。折り合いの付け方を身につけよう
子どもがルールを守らなかったときは、頭ごなしに叱るより、一旦気持ちを受け止めてあげることで正しい行動を促しやすくなります。
子どもが食卓にぬいぐるみを持ってきたら「いいよ。お箸の使い方を見せてあげようか」と受け入れてみると、楽しくお箸の練習ができます。
「食卓に置くと汚れるかもしれないから、棚から見ててもらおうね」と伝えれば、食卓はご飯を食べるための場所というルールも理解します。
「お母さんのスマホも棚に置いてね」と言われるようになったら大成功ですね。
- まずは子どもの困った行動と、それに伴っている気持ちを切り離す
- 気持ちは受け入れていると言葉で示す
- 好ましくない行動だけを改善するように導く