夏休みの旅行は楽しみだけれど、
出かけ先で子どもたちのペースに合わせながら行動を前もって計画、
スケジュールを管理するのも大変…と内心感じている
きっちりタイプのママ!
そのお役目、わが子に任せてみませんか?
夏休みにママがするべきたったひとつのこと。旅行中のスケジュールを子どもに委ねる
いよいよ夏休み。まとまった長い時間を家族で過ごす楽しみが増える時期ですね。たとえば旅行にでかけたら、現地でどこに行くか、何をするか、パパやママがこと細かく計画しているご家庭も多いことでしょう。
そこで今回は一つの提案。お子さんが4歳を過ぎたら、ぜひそれらのことをわが子に委ねてほしいのです。と言っても、もちろん全部丸投げというわけにはいかないでしょう。今から何をするか、何時になったら食事にするか、といった小さなことでいいのです。家族旅行は、子どもにある程度大まかにスケジュールを立てる経験をさせてあげられる絶好の機会です。
4歳になると先を予測し計画する力がぐんと育つ
なぜ4歳なのか?これには発達心理学に基づく根拠があります。実は4歳というのは、先を見越す予測力と計画力が育ってくる時期なのです。それまで、まさに今湧きでた好奇心や本能で行き当たりばったりに行動していたのが、4歳ごろになると、全体を見通し、今は何をすべきかといった視点で物事を捉えることができるステージに入るのです。
そんな時期だからこそ、家族のスケジュールを決める役目を旅行の中で振ってあげてください。いつの間にか時間感覚がついてきているわが子に、パパもママもきっとびっくりするはずです。
家族の一員として役に立てた経験が自信に結びついた!我が家の三男の事例
我が家でこれを実践してみたのは数年前の夏休みのこと。夫の趣味であるサーフィンもできる海沿いに宿を取って旅行にでかけたときのことです。
当時三男は4歳半ばを過ぎていました。広大な敷地に広がるたくさんのプール、レストラン、そして歩いて出られる海。いつもならすべて時間管理をするのは親の役目。それだけで疲労困憊してしまうことがこれまで多かったのも正直なところでしたが、その朝は水着に着替えたタイミングで、まずは三男にアイデアを聞いてみました。
「何時にお昼ご飯にする?」
たくさん遊びたいからいつもより遅めの1時にご飯にしようという息子の提案に家族みんなで賛成し、まずはいざプールへ。どっちのプールに行くのかも、どのタイミングでプールから出て海の方へ出るのかも、計画を決めるのは彼です。もちろんあまりにも的外れになるときは軌道修正もしましたが、決定権は三男にあるというスタンスで彼の意見を尊重しました。
みんなそれぞれご機嫌に遊んでいたとき、ふと見ると、まだ午前も半ばというのにレストランに並ぶ人の列が目に映りました。1時にはもう席が埋まっているかもしれないことを想像したのか、彼が一言、「あともうちょっとしたら早めに上がってお昼ご飯にしよう。海はそのあとにしよう!」と声を上げました。
「あとちょっとって、どれくらいにしようか?」と6つ上の兄が助け船を出すと、時計の長い針が4になったらとの答え。約30分ほどはそのままプールで遊び、昼前にレストランに入った時にはちょうど最後の席が空いていて、タイミングよく滑りこむことができました。
遊びながらも、時計を見つつ自分や家族みんなの行動を管理しようとする息子のお陰で、そのあとは計画通り午後から海で遊び、早めの晩御飯どきには窓から綺麗な夕焼けを見ることもできました。そう、その日は晩御飯の時間も、そのあとの過ごし方も寝る時間も、すべて彼にスケジュールを立ててもらったのでした。
ベッドに潜りこみながら、「今日はいい日だったね。みんな僕のお陰で助かった?」と言って眠りについた息子。それまでまだまだ幼く、いつも周りに助けてもらう存在だった自分が、家族みんなの役に立つことができた、思い出深い4歳の夏休みになりました。
子どもは誰よりやる気みなぎる旅行プランナー。夏にひとまわり大きくなるきっかけに
いつもお世話してあげる対象として接するのではなく、チームの一員として役割を経験させること。それはこの上なく子どもの自信に結びつきます。
ちょうど予測力がついてきた4歳には、ぜひ旅行プランナーとして同行してもらいましょう。大人がすべてお膳立てする旅行と違って、きっとやる気満々で責任感を持ってスケジュールを立ててくれるでしょう。
普段から前もってきっちり計画を立てているしっかり者のママほど、旅行中は子どもにお仕事してもらってゆっくり羽を休める機会です。小さなきっかけが、この夏きっと子どもをひとまわり大きく成長させてくれますよ。
みなさま、素敵な夏休みを!
どんな夏だったか、また聞かせて下さいね。