適度な失敗を生かせると成功したときに子どもを大きく成長させると知ってほしい
親というのは、少なからず子どもにより良くあってほしいと考えるものですね。また、失敗で自信をなくしたり傷ついたりしてほしくないとも思います。
ところがその思いが強すぎると、子どもの失敗を回避しようと先回りして成功体験のお膳立てをしたり、失敗をしたらしたで必要以上に厳しく叱ってしまったりしてしまうことも。
お母さんが子どものためを思うからこそのこの行動、実は子どもの成長の役には立っていません。子どもは適度な失敗を積み重ねることで、成功したとき以上にたくさんの学びや気づきを得ることができるからです。
子どもが失敗したときのお母さんの役目はこの3つ
“失敗は成功のもと”という言葉があるように、失敗すること自体は歓迎するべきことなのです。
失敗したら「どうして失敗したのかな?」と考えます。同じことを繰り返してまた失敗したら、うまくいかない原因に気づくかもしれません。そうしたら今度は「うまくいくにはどうしたらいいかな?」と、観察したり考えたりして色々と工夫することでしょう。その過程の全てが、子どもにとっては成功するよりよほど大きな学びになるのです。
こうした子どもの観察と思考の過程を助け、成功へつなげるために大切なことは、お母さんがどのように関わるかということです。
ポイントはたったの3つです。
- まずは感情をはさまずに状況を伝える
- 次に失敗をリカバリーしたり、最後まで責任を持つための行動を教える
- 最後に次はどうしたらいいかを子どもと一緒に考え、気付きを与える
子どもの失敗にイラッとしたり思い通りに動いてほしいと思ったりするお母さんは多いと思いますが、これは子どもに成功することを期待しているからでしょう。
はじめから物事を上手にできる人はいません。スポーツでも勉強でも遊びでも、最初は誰だって下手くそです。いろいろな失敗を成功に変えるために、思考と工夫を重ねることで、なんでも少しずつ上達していくのです。
ぜひ子どもに合った乗り越え方法を一緒に考えてみましょう。
言葉の掛け方を変えるだけ!ポイントは考えさせるための質問
わが家は息子も娘もとにかく自分でやってみたいと思っています。考える前に体が動いているので失敗も多いです。そんなときに、私はイライラして怒ることが多くありました。
例えば、自分で水をついで飲みたい時には大体こぼしていたのですが、そんなとき、私は「ほらー!だから言ったじゃん」「何回言ったら分かるの!」「もうママがするからやめて!」でした。
そんな言葉を繰り返しているうちに、いつの間にか子どもたちは自分でやらなくなって、全部私がしてあげないといけない状況になっていました。
しかし、声かけのポイントを知り、私の方が意識して言葉を変えるようにしてからは、何度も失敗を繰り返しながら積極的にいろいろなことにチャレンジできるようになったのです。同時に成功する回数も増えました。
何が変わったかというと、水をこぼしたら「こぼしたね!それは仕方ないよ、そのあとどうしたらいいでしょうか!」と考えてもらったり、床を拭いてくれたら「ありがとう!次は気をつけよう!どうしたら良さそう?」と言うようになったからでしょうか。
もしかしたら子どもが責任をとって床を拭いたりしてくれることで私の心に余裕がでてきたからかもしれません。
成功と失敗を繰り返しながら成長する子どもを見守る
このように書くと“失敗がとても素晴らしいからわざと失敗させましょう”と聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
大きな心の傷ができるような失敗はやはり気を配ったほうがよいでしょう。
ただ、それまでに小さな失敗に対して自分で対応できるようになっていたら、無意識のうちに“どうすればいいか”“何ができるだろうか”と考えられる子どもに成長します。日頃から小さな失敗を乗り越える経験を積んでおくことが、大きな失敗を防ぐ助けになるのです。
子どもは何度も何度も成功と失敗を繰り返しながら成長します。
やってみようと取り組む心の芽を摘んでしまわないように見守りながらできることを増やしていけたら自立した子どもに成長していくでしょう。