子どもにおねだりされたらとき、どうしていますか?
もちろん、状況によってはすぐ買ってあげても問題ないケースもあります。ですがもし、お子さんが4歳を過ぎていたら、親として敢えて買わない選択肢も考慮してみてください。
今回は‟我慢”の習慣のつけ方についてお伝えします。
子どもが次々物を欲しがったら敢えて待たせてみる
「子どもがすぐおもちゃに飽きて次々と新しいものを欲しがるんです。リーズナブルなものを選んではいるけれど、だからと言ってどんどん買いあたえていいものか迷っています…」
これは先日私がお受けした、4歳の女の子のお母さまからのご相談です。コロナ禍でおうちで過ごす時間がどうしても増え、室内で遊べるものをひっきりなしにどんどん欲しがるとのこと。おうちで楽しく過ごすために100円ショップに毎回寄ってあげたい思いと、物を大事にしてほしいという思いの狭間で揺れていますというご相談でした。
おうち遊びが大好きなお子さんなのでしょう。色とりどりのビーズでアクセサリーを作ったり絵を描いたりするのに夢中だそう。きっと集中力や想像力が豊かなお子さんに違いありません。お嬢さんの好きなことを応援しつつ、次々手に入れたい欲求をコントロールできる自制心をも育ててあげることができたら最高ですね。
その工夫として私から提案したのは、‟買う時期を少し引きのばす”作戦です。
4歳だから育てられる我慢の力は「いいよ」と欲求を受け入れることから始まる
実は4歳というのはある程度長期的な視野で物事を見られるようになる時期。つまり、少し先の目標を据えてそこに向かって感情をコントロールすることが可能になってくる発達段階に当たります。「今やりたい!」気持ちをその場でストレートに行動化していた時期からステップアップして、我慢というものを覚えてくる時期なのです。
ママ、私も4歳なりに、ちゃんと成長の階段を登ってるのよ♪
「欲しい!おもちゃ買って!」と子どもに言われたらママはぜひ、一旦待たせる時間を敢えて持たせてあげてください。「ダメ!今日は買わないよ」ではなく「いいよ、明日になったらね」といったような言い方がおススメです。子どもは自分の感情を一旦受けいれてもらえた、分かってもらえたと実感でき、全否定で禁止されるよりずっとすんなり聞きいれることができます。
待たせる時間は子ども自身がイメージできる短いスパンから。たとえば「夕方のお買い物のときにね」(朝におねだりされた場合)から始めても構いません。ちゃんと待てたら約束通り買ってあげることもお忘れなく。そこから少しずつ「いいよ、明日ね」「いいよ、週末にね」とスパンを延ばしていきましょう。
待つことが自己犠牲ではなく楽しみになるカレンダーマジック
我が家でも末っ子が4歳になったときに‟待つ練習”を始め、上記のような方法で普段のお買い物は自制心を持ってスムーズに待てるようになっていました。そんな折、彼が欲しがったのが当時大好きだったスターウォーズシリーズのレゴ。大人が両手を使ってやっと持ちあげられるようなスケールの大きい宇宙船です。
「いいね!かっこいいね。いいよ、じゃお誕生日にね」という私の一言に一瞬口をつぐみ表情を曇らせた息子。実はお誕生日は2か月近くもあとなのです。
そこですかさず私が差しだしたのは、お兄ちゃんのお下がりの手帳です。小学校に行くたびに小さなカレンダーにシールを貼っていたもの。今は使わなくなり、ちょうどその月のページもまっさらのままです。3つ上のお兄ちゃんは彼にとっていつだって憧れ。あたかも自分も小学生になったような気分になったのでしょう、息子は得意げな顔つきで手帳を手に取りました。
「Kくん、あと50回寝たらお誕生日だね。毎日シール貼ってお誕生日が来るのを待とうか」私の提案に彼が誇らしげに頷いたのは言うまでもありません。それから毎晩寝る前に小さなカレンダーにシールを貼るのが親子の日課になりました。いつの間にやら3つ上のお兄ちゃんも6つ上のお兄ちゃんも一緒に盛りあがってカウントダウンしてくれる始末。
ついにお誕生日の前の晩、最後のシールを貼りおえたときには家族みんなで拍手喝采!次の日意気揚々とプレゼントを買いに行く末っ子の背中がいつもより逞しく見えたのを今でも覚えています。
欲しいものをすぐに手に入れられないもどかしさは大人にだってありますね。だからこそ、待つことが自己犠牲ではなく楽しみに変わるような工夫も、親としてサポートしてあげると良いかもしれません。
思いは必ず実ることを経験させれば、親子の信頼関係にもつながる
4歳を超えた子どもの中には自制心の芽が育っています。待てば思いは実ること、それが体感できれば、コツコツと毎日頑張れる子になるのです。努力を続ければママやパパは必ず自分との約束を守ってくれる。そんな経験の積み重ねは、本人の自制心だけでなく、紛れもない親子の絆を強めるきっかけにもなるでしょう。
4歳の子が何かを欲しがったら、待つことを経験させられる絶好のチャンスです。