もうすぐ冬休みですね。
冬休みの終わりが近づくにつれ「早くお友だちや先生に会いたいな!」と楽しみにしている子は安心ですが、「幼稚園イヤ…」などと新学期に不安を感じている様子が見られたら心配になりますね。
元保健室の先生として、リアルタイムで子育てをしている母親としての経験から、この時期に私がポイントだなと思うことをシェアします。
イヤという言葉をそのまま返すだけでいい
幼稚園や保育園がイヤと言われたらびっくりしますね。
「え?園に行きたくないってこと?3学期早々、登園拒否されたらどうしよう…」なんて頭の中はパニック!思わず「どうして?なにがあったの?」と聞きたくなるし、解決してあげたいと思うのが親心ですね。
こんなときにあれこれ言うよりも簡単に子どもが安心する方法があります。
それが“オウム返し”と呼ばれるもの。子どもが「幼稚園イヤ!」と言ったら「幼稚園がイヤなのね」といった具合に、子どもが言った言葉をそのまま返すという方法です。
幼児は気持ちを言葉で表現するのが難しい
「イヤ」という言葉は、使い勝手がいい言葉です。類語を検索すると、意地悪い、汚い、うっとうしい、憎むなどたくさんの言葉が出てきます。いかがですか?みなさん、感情に合わせて使い分けていますか?大人でもちょっと難しい…というのが本音ではないでしょうか。
そう、大人でも複雑な心境を他人に話すとき、時間がかかり難しいですね。子どもにとってはなおさらなのです。
子どもだって自分の感情や意見がないわけではありません。けれど、それにピッタリ当てはまる言葉を知らないので、自分の知っている語彙の中で「イヤ」という言葉を選択しているに過ぎないのです。
子どもの言葉をそのまま繰り返すと「ママは僕のことわかってくれた!」「ママにちゃんと私の気持ちが伝わった」と安心することができ満足します。
オウム返しは繰り返し方を工夫すると話が広がる
会話が続いたら、次は一言を添えて繰り返してみましょう。会話のヒントになる言葉を足すイメージです。
わが家の次男の例をご紹介します。
幼稚園イヤ
次男は幼稚園イヤなんだね
ぼくじゃなくて、○○くんがイヤって
幼稚園がイヤだなんてさぁ大変!と思って話を聞いてみたら、幼稚園がイヤだったのはお友だちだったというオチ。まだ幼児は主語をつけて話すことに不慣れだと実感したひとときでした。
そもそも日本語は主語を省略して話すことも多い言葉。小学校以降も要注意です。ちなみに現在小学校3年生になった次男ですが、未だに主語をすっとばして話すので情報が錯綜することも多々あります。
オウム返しの良さは体感してこそわかる
冬休み中、ゆっくり時間がとれて心と体に余裕があるときはぜひ“おうむ返しのワーク”を試ししてみてください。2人1組、相手はパートナーでもお子さんでも大丈夫。1分間×2回あなたの好きな話をしてください。
ただし、1回目はオウム返しをしないで話を聞いてもらってください。2回目はオウム返しを存分にしてもらってください。
きっと、相手の態度によって話す側もこんなにも気分が違う!ということを体感できるでしょう。このときに感じた気持ちが、今後のあなたの選択と行動を変え、お子さんとの会話に生かされることを願っています。