わが子に…と頂いたお年玉、どのようにしていますか?何となくそのまま自分で預かってしまうこともあるかもしれません。上手に活用して、子どもの成長に活かしてみませんか?
お年玉には、子どもが自立するヒントが詰まっている
お正月にもらえるお年玉、楽しみにしている子どもも多いと思います。そんなお年玉ですが、もらった後はどうしているでしょう。よく耳にするのは、子どもがお母さんに預ける、または親が無条件で預かり、使い方を親が決めてしまう…などです。それはちょっともったいない!お年玉には、子どもが成長するためのいくつかの魔法がかかっています。例えば、感謝の心、思いやりの心、価値観や経済観、計画力や忍耐力などなど…、これらを育ててくれるのです。親子で一緒にその魔法を使って子どもの自立に役立ててみませんか?
自立に必要なことは自分で決めて行動すること
“子どもの自立”と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか?子どもの自立とは、まず、自分自身で何をしたいのかを発見し、「よし頑張るぞ!」と意欲的に行動に移し、実現していくことです。このサイクルを回すことで自立心は育っていきます。子どもが小さいうちは親が効果的に声掛けをしていくと自分でサイクルを回す練習になります。お年玉はそのきっかけになる良い機会です。「お年玉は〇〇ちゃんのもの。だからその使い方を一緒に考えようね」と自立に向けてサイクルを回し始めてください。具体的には①子どもがしたいこと、ほしいものを決める。②それはどうやったら実現できるか、子どもが発見し決定できるよう、想像しやすいヒントや選択肢を提示する。③最後にいつ取り組むか、いつから始めるか具体的な日にちや日程を決める。あとは実行に移すだけです。まじめだけれど笑顔で楽しんで決めてください。すると、子どもが日々の中でも課題を発見し、どう課題を解決しようか考え、実行していくというサイクルを自然と回し始めることができるようになります。
″貯める″や″使う″を子どもと一緒に体験すると金銭感覚も育つ
数を数えられるようになった3歳位からは、頂いた金額を一緒に確認して使い方を考えていくと、お金の大切さや金銭感覚も育ちます。
わが家では、作戦会議と称してお年玉の使い方を一緒に考えています。欲しいものは決まって電車関係の何かですが、ある年、好きな車両を1つ買うと決めました。そこからはしっかりと考えていく時間です。何を買うか決めた後で、どこで買うのかを話し合いました。正規店で買うのかリサイクルショップで買うのか、″お店によって値段が違う”ということを話し、お店ごとの特徴をヒントとして提示しました。高くても箱があってきれい、箱に入ってなくて傷も少しあるかもしれないけど安い、同じ金額で2個買えるかもしれないけれど在庫がないかもしれないお店…などメリットとデメリットを比べながら、子ども自身が決めていきます。その年は、在庫がありそうな正規店に買いに行くと決めました。ところが、いざ行ってみると子どものお年玉では調べた金額よりも少しだけ高く、これでは1つも買えないという事実がわかりました。そこで、新たに3つの選択肢を出しました。他のお店に探しに行く、少しお母さんのお手伝いをして金額を増やしてから買う、次のお年玉を足して買う(それまで貯金しておく)、というもの。わが家の作戦は、他のお店で探して、見つからなかったら次のお年玉まで待つと決まりました。結局、希望の車両は見つからず、一緒に貯金をしに行きました。その日、欲しかった電車は手に入りませんでしたが、自分で決めたことなので清々しい顔をしていました。
自分で決めたことは親から決められたことよりもきちんと守ることができます。またそれ以来、日々の中でも「これは高いから我慢するね」「このおやつは安いね」などと言うようになりました。自分事で考えることで、小さな子でも枚数が多い、少ない、数字が大きい、小さい、お金は使うとなくなるけれど、ためると増えるなどの感覚を育てることができます。
″頂く″という行為を大切にすると、思いやりや社会性を身に着けながら自立する
お金の使い方や金銭感覚を学ぶだけであれば、親がおこずかいを子どもに渡し、一緒に使い方を考えることで身につくかもしれません。しかし、お年玉には親からではない人から頂くということによって、親が子どもにいいお手本をみせる絶好の機会にもなります。思いやりのある言葉を選び、感謝の気持ちをきちんと伝えるという行動を親が子どもの前で見せると、子どもはそれを見て学び、社会性を身に着けていきます。そして頂いたお年玉に対してより大切さを感じることによって、その価値観を、自分で使い道を決める時の指標の一つに加えることができるようになります。その行動が、より良い自立に役立っていきます。この機会に今一度、お年玉の使い方について、子どもと一緒に考えてみませんか?