私ごとですが、婦人科系疾患のため数日間入院していました。お世話している日常からお世話される側になってみて発見したことをシェアします。
「ダメ」というかわりに「いいよ」と言うだけで円満解決
下の子の出産のとき以来、4年ぶりに入院しまいた。毎日子どものお世話をして過ごしていた日々から一転、お世話していただく側に。コロナ禍の中、医療従事者の皆様の奮闘を間近で体感してきました。
そんな中でもキッズコーチング®︎視点が頭から離れない私は、看護師さんたちがつかう言葉に注目。普段私が子どもに対して使っている声かけを、受ける側になって改めて効果を実感したのです。
「ダメ!」と否定せずにまずは「いいよ」と受けとめる方法”いいよ話法”についてのお話です。
子ども相手だけじゃない。大人同士でもビジネスでも使えるテク。
”いいよ話法”とは”Yes, and法”とも呼ばれていて、ビジネスのシーンでもよく使われます。たとえ相手が無茶な要求をしてきたときでも「だめ、できない(NO)」と答えずに、「いいよ(Yes)」で答えた上で条件を出していくという手法です。会話のパターンを比較してみましょう。
客「緑と赤のパンダがほしい」
店員A「ありません。パンダは白と黒です。」
店員B「かしこまりました。白と黒のパンダであればすぐご用意できます」
Aはなんだか突っぱねられたような感じで、とても良い印象になりません。
希望のものがないと言う結果に変わりはないですが、Bの方がマイナスな印象が少ないですね。
一旦「いいよ」と受け入れられることで気持ちが落ち着き、こちらの要求を聞く耳ができるのです。
頭ごなしに否定されるよりもずっとスムーズに会話が進みます。
実録:看護師さんと入院患者の会話における”いいよ話法”の活用
入院している患者さんはみんな何かしら具合が悪い。いろいろな計器がついていたり、痛みがあったりで自由に動けないことも。そんな中、看護師さんに対してちょっとしたわがままを言いたくなる気持ちもわかります。カーテンの向こうからこんな会話がきこえてきました。
患者「看護師さん、点滴外してもらえませんか?」
看護師A「ダメです。ご飯を半分以上食べられるようになってからです」
看護師B「いいですよ。ご飯を半分以上食べられるようになったら外しましょうね」
素直に「ご飯をたべられるように頑張ろう」と思えるのはどちらの声かけでしょう?
もちろん、看護師Bさんの言い方ですね。伝えている内容は全く同じです。それなのに、こんなに印象が違うんです。
ではここで、お子さんとの会話を思い出してください。子どもが「お母さん〇〇したーい」と言ったときのあなたはなんと答えていますか?私はキッズコーチングに出会うまでは「ダメ」と言うことが多かったです。その方がちゃんとしつけをしているお母さんらしい気がしていました。だけど「ダメ」というとその後の反論や癇癪が大変なことは皆さんもご想像に難くないでしょう。
「いいよ」といっても言いなりになるわけじゃない
子どもの行動は奇想天外。思わず「ダメ!」と言いたくなるシーンは山ほどあります。”いいよ話法”のポイントは「いいよ」と言ったからといって言いなりになるわけではないということです。だからまずは「いいよ」といってみましょう。びっくりするほどあっさりきいてくれることも。
極端な例を挙げれば「ビールが飲みたい」と子どもがいったとしても「いいよ」と返して大丈夫。
「いいよ、大人になったらね」と続ければ良いのです。
今までと違うパターンの会話をいきなりすることに心配がある方は、まずはどんなときにお母さん自身が「ダメ!」と言っているかを考えてみましょう。そして時間のある時に「いいよ」で返事したパターンを考えておくのもおすすめです。
いつも「ダメ」と言い過ぎると、「お母さんい言ってもどうせだめっていわれるし」とやる気までも失ってしまうかもしれません。「いいよ」で返事できるよう、イメトレから始めましょう。