子どもは体をめいっぱい動かしながら、自然と触れ合って遊んで成長すると、集中力や工夫する力がつきます。でも、どこでどう遊ばせたらいいのか悩ましく思うことがあるかもしれません。
答えは簡単です。まず近所の公園へ出かけてみませんか?
自然遊びに特別なスキルは要らない
自然遊びと聞くと「大自然やキャンプ場など特別な環境がいるのかな」「昔からインドアだったからどうやって遊ばせたらいいか分からない」という方もいるかもしれません。
しかし、場所は近所の公園で十分です。
遊び方も、小さいうちは草を抜いてみたり、土や砂を触ってみたり、少し成長したら土手のような平らでない場所を走ったり、転がってみたり…、子どもの思うままに遊ばせるだけで十分なのです。
シイやカシの植えられている公園も多いので、秋にはどんぐりが拾えます。季節の花を見たり、鳥の声を探したり、昆虫と遭遇することも”遊び”なのです。
大人が“遊んであげよう”としないことが大切
初めて遊びに連れて行った場所では、最初は子どももうまく遊べないように見えることがあります。
そんな時、つい「これで遊んだらいいよ!これで遊ぼうよ!」と遊びを決めてコントロールしたくなるかもしれません。
せっかくなら遊びを決めてしまうのではなく、きっかけのエッセンスを少し与えてみましょう。そうするだけで子どもはあっという間に何かに興味を持ちます。
子どもが興味を持って発見したことを一緒に共有し“遊んであげよう”とするのではなく“一緒に遊ぶ”ようにすると、子どもの集中力と工夫する力はぐんぐん伸びていきます。
一緒に遊ぶ中で「こんな遊びもあるよ」と提案することができれば、親子で新しい発見ができるかもしれません。
子どもが夢中になる簡単な遊び方
きっかけのエッセンスには様々あります。簡単な行動をいくつか挙げてみましょう。
しゃがんでみる
1番簡単なものは一緒に“しゃがんでみる”ことです。土の手触り、葉っぱのカーペット、木の芽、昆虫の動きなど、大人でも新しい発見があります。
ひろってみる
きれいだなと思うものをまず大人が拾って見せてみましょう。一緒に話しながら拾うだけで楽しい遊びになります。子どもが興味を持っていれば、持参した図鑑や写真と同じものを見つけてみる遊びをすると、集中力や観察力が身につきます。
あつめてみる
好きなものを自由に集めると子どもの個性が光ります。時間をかけて集めても楽しいですし、競争するのも面白いあそびになります。集めたものを見せ合うことで思いを共有したり、展覧会のように並べても楽しいですね。
きいてみる
普段聞かない鳥の声を探したり、聞き分けてみたり、葉擦れの音や風の音を探してみる遊びも楽しいものです。何種類の違う音があるのか数えあってみると感性や個性、視点の違いを知ることができます。また、同じ石でもたたいてみると違う音がします。
かいてみる
クレヨンや色鉛筆でかくこともできますが、地面に石や小枝でかいたり、葉っぱの汁や石を使ってかくなど、道具も自由に選択する楽しさがあります。見たままをかいてみるだけでなく、音や匂いなどの目に見えない物をかいてみると面白い発見があります。
投げてみる
葉っぱを風に乗せてみたり、くるくると落として遊んだり、花びらや綿毛を飛ばしてみる、どんぐりを転がしてみるなど、周囲に気をつけながら投げる遊びも新しい発見があります。
たかいたかいをしてみる
ちょっと高いところから眺めてみる遊びです。木登りや展望台にのぼってみることもできるでしょう。視点を変えると見えなかったものが見えたり、ものが立体的に捉えられたりと面白い発見があります。
晴れの日だけが自然遊びの時間じゃない
雨の日の濡れた地面や香り立つ植物の匂い、朝日が上がる瞬間や夕日が沈んでいく空の変化、日没後の気温の変化や夜の公園で知る暗闇と音の響き方、夜空の星の輝き。
これらを感じることも自然遊び。身近な場所でできる事は思うよりもずっとたくさんあります。
「さ、山に出かけなくっちゃ!」と張り切るのも時には楽しいですが、日々の生活では気負わず楽しくが継続のコツ。自然遊びを身近な場所から、日常に取り入れてみましょう。