伝えたいこと、伝わっていますか?思いが伝わらないときの言葉の選び方。

ゆきほ/ライター

人と話している時、コミュニケーションギャップを感じたことはありますか?

コミュニケーションギャップとは、人に何かを伝えた時、誤解されたり、ちがうニュアンスで伝わったりすることです。これは子どもたちにとってもよく起こりがちな現象です。

子どもに思いを伝えるときには肯定語で伝えると伝わりやすくなります。

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言葉の受け取り方の違いで行動が変わる

ある先生が体操着に着替えたばかりの1人の子どもに言いました。「シャツが出てるよ。シャツが出てたら体操教室には行けないよ」

そう言い残して先生はみんなより先に体操場で待っていました。しかし、いくら待っていてもその子だけは体操場に来ません。おかしいなと思って教室に戻ってみると、その子は教室の隅っこで泣きながら座っていました。

先生が「みんな待っているよ。どうしたの?」と聞くと、その子はこう答えました。

「先生が〝シャツが出ている子は体操教室に行っちゃダメ″と言ったから…」

それを聞いて先生は慌てて「そうじゃないんだよ。シャツを入れてから体操教室に行こうねって言ったんだよ」と言い直しました。

ここで質問です。

あなたは最初の先生の「シャツが出ていたら体操教室に行けない」という言葉をどう捉えていたでしょうか。

一般的に考えると確かに”シャツをきちんといれたら体操教室に行ける”と頭で変換するかもしれません。しかし、その子にとって〇〇しないとできない」は「〇〇すればできる」とイコールではなかったわけです。

「シャツが出てい(る事実があっ)たら体操教室に行(ってはい)けない」と捉えていました。

実は人間の脳は否定形を理解しないと言われています。小さな子は論理的な思考回路が育っていないのでなおさらです。

この場合だと「シャツを入れてから来てね」と肯定形で伝えれば思いはもっと伝わりやすかったのです

「ダメ」「しないで」はどうしたらいいかわからない

こんな子もいました。

お店で気になった商品があったので、掴んで耳の近くで振って音を確かめていました。

するとお母さんが大きな声で「ダメよ!やめて!」と言いました。

その子はびっくりして商品を投げました。するとまたお母さんが「ダメよ!!本当にやめて!」とさらに怒ったのです。

その子は泣き出してしまいました。

この時、その子の心の中で何が起きていたのでしょうか。

実はその子は”お母さんがダメと大声を出したので、その商品は危ないものかと思い、急いで手放した”のでした。

「ダメ」や「やめて」だけでは、子どもには気持ちが伝わりづらいものです。どうしてダメなのか、それをどうしてほしいのかを具体的に言葉にすると伝わりやすくなります。

「お店で触っていい商品は買うと決めたものだけ」「触りたいなと思ったらお母さんに聞く」などと先に約束しておくのも、子どもがどうしたらいいか判断する方法の1つになります。

肯定語は行動したくなる言葉

脳の中で「意識」は5%「無意識」は95%と言われています。

脳内ではイメージと現実が区別できない為、言葉の力が強く作用します。

「こぼさないでね」「すべらないでね」と否定語で声をかけると半数の子どもがこぼしたりすべったりします。これは、無意識のうちにこぼす・すべるイメージを脳内で思い浮かべてしまうので、体がそのように反応するからです。

反対に「しっかり持ってね」「注意して歩いてね」と肯定語で声をかけるとその通りになる確率がぐんと上がります

子どもにどうしてほしいか伝えるとき、肯定語こそがその通りに行動したくなる魔法の言葉になるのです。

具体的で肯定的な言葉に変えてみよう

ちょっと練習してみましょう。

電車の中で隣に座っていた子どもが大声でお母さんに話しかけ始めました。お母さんは『今はダメでしょ!うるさい!』と言っています。この時あなたがお母さんなら、なんと伝えますか?黙ってほしいですか?それとも小さな声で話してほしいでしょうか?その思いを伝えるならどんな言葉が選択できるでしょう。

忘れ物をよくする子どもに、持ち物を確認してほしい時『忘れ物ない?』と毎日確認していましたが、なかなか改善しません。ではなんと声をかけてみましょうか?

私なら、ひとつめは「お母さんとこそこそ話しない?」、2つ目は「全部あるかな?」でしょうか。

肯定語の表現にも様々あると思います。正解不正解はないので、ご自分の思い浮かんだ言葉で伝えてあげてください。

また、肯定語は意識しないと出にくいです。あれ?思いが伝わったかな?と不安になったときには、素直に本人にどう伝わっているか聞いてみればいいだけ。上手に肯定語と確認を使いながら、コミュニケーションをより良い子どもの行動や成長に繋げていってください。

ゆきほ/ライター

いろいろな例を出してみましたが、大切なのは肯定語で伝えること。

習慣になるには少し練習が必要ですが、気長に取り組んでみてくださいね!伝わりやすくなるだけでなく、前向きになる効果もありますよ!

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この記事を書いた人

黒田ゆき保のアバター 黒田ゆき保 ママトコネットライター/キッズコーチング®トレーナー

全ての子どもに『自分らしく生きる力』を。新しい一歩を安心して踏み出せる『心の居場所』を提供。不登校児や特別支援児のサポート、自然体験・野外体験活動指導者として、様々な組織のキャンプの企画に参画。 青少年育成ボランティアの養成にも力を入れ、延べ1万人以上の子どもたちと関わる。

外遊びと絵本、工作と文房具好き。

キャンプディレクター1級/ comfortable place 代表。1児の母。

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