様々な情報のあふれる現在。小さな子どもにとっては殊に〝情報は量より質″と言われます。あなたは情報とどう付き合っていますか?そして、子どもにどう付き合ってほしいですか?
スマートフォンの長時間使用、乳幼児期は視覚の成長に影響する
乳幼児期は様々な器官が成長します。もちろん目の成長も盛んな時期です。生まれた時から徐々に視力が上がり、眼球運動力やピントの調節能力が育っていきます。見えるものを様々な角度や距離で捉えることによって空間認知能力も育っていきます。
また自然界にある微妙な色の違いを認識しながら感性を伸ばしていきます。長時間じっと同じ場所(画面)を見続ける体験は、それらの育ちが促進される時間を減らすことになります。
これだけ聞くと、やはりスマホやタブレットは使用しないほうが良い?という話になるのですが、これからの時代を生きる子どもたちにとって、これらの機器を使用するメリットはたくさんあります。同じ情報を取り入れるならば、効率よく目に優しい取り入れ方を模索するとよさそうです。
視覚に優しい使い方のポイント
推奨される使い方のポイントは、時間と距離と姿勢です。事前にどれをどのくらい見るのかを決めておき、それを子どもに伝えましょう。
一緒に考えられるようになったらぜひ、子どもに決めてもらってください。親から決められたものよりも、自分で決めたことの方が子どもは約束として守りやすいからです。
それから姿勢。車の中などで下を向いての使用をせず、粗い画面で見えにくいものは避け、至近距離で見ないことが大切です。姿勢は視力だけでなく、骨格の成長にも影響します。
もし子どもがずっと見続けて困る場合は、画面をコントラストの淡いものにするとドーパミンを抑え、見続けたい欲求を高めずに済むこともあります。モノクロ画面にすると、おいしそうな料理もなんだか味気なく感じますよね?それと同じ状況です。
使用後の運動でリフレッシュを!
たくさん画面を見た日には、最低1回、15分程度運動をすると目や脳によいと言われています。
そんな時はぜひ、お散歩やゆったりの運動をしに外へ出掛けましょう。緑の自然を感じられる場所がおススメです。緑色は目に優しく、波長が青や紫に比べ長く、赤などに比べて短いため、ちょうどよく目に負担をかけない色だからです。人間に最も見やすい色と言われています。
色彩心理学としても気持ちを安定させ心と体の緊張をとる効果があるとされています。遠くの緑を眺めるだけで、目の筋肉がゆるみ疲れも取れやすくなります。家の中の緑を見ながら部屋の中でヨガをしたり創作体操をしたりすることでも補えます。
わが家ではオリジナルおにぎり体操が流行っています。これは、ただ呼吸に合わせて「おにぎり体操♬おにぎり体操~♪」と言いながら好きな音程で好きな動きを親子で交互に真似しあうだけの体操です。親子で同じ動きをすることで得られる一体感や信頼感、リラックス感を楽しんでいます。
Less Is Moreの気持ちを忘れない
現代はいろいろと魅力的なものがあふれています。1日の制約された時間の中で、興味のあるものをたくさん拾い集めるためには、ネット環境での情報収集は欠かせなくなりました。また、家事や育児でどうしても…と思うとついつい頼ってしまうのがこれらの機器。
だからこそ、
上手に使いながら、お家にあるもので子どもの学びと健やかな成長を促せるといいなと願っていると思います。わたしも、本当は教えたいことや知ってほしいことは山ほどありますが、わが家のルールとして、特別に調べたいことや知りたいこと、外遊びなどで効率的に活用したいこと、それ以外は銀行や郵便局などでお母さんの用事が終わるまでの間だけ、と決めています。子どもは大喜びで用事についてきますが、必要以上に動画をねだったりゲームなどを欲しがることもありません。
“Less is more” 子どもは親が思うよりも少し足りないほうがいろいろな興味を持ってのびのびと主体的に活動できると言われています。外遊びがいい例です。何もないところから子どもは興味関心を広げて主体的に遊びます。スマートフォンやタブレットは学びのエッセンスと捉え、上手に付き合いながら、目に優しい遊びを増やしてみるのはどうでしょうか?