「楽しい」の種類が増えて「できた」が広がる先には?
子どもの頃、あなたが好きだった外遊びは何でしたか?
子どもは2歳くらいになると、運動能力が増え「楽しい」体験の種類がさらに増えてきます。また外の世界は、子どもにとって不思議があふれています。棒があれば振ってみて楽しい。水たまりに足を入れても面白い!草むらからバッタが飛び出してきたら、とにかく追いかけるのが楽しい!…と、イベントは目白押しです。
この「楽しい」を感じさせてくれる体験からは、「できた」や「わかった」の感情が生まれます。これらの経験を大切にすることで、子どもに集中力が育っていきます。この集中力は、子どもにとって、これから先に出会う様々なものから新しい学びを吸収する力を与えてくれます。
2歳代こそ積極的に外に出よう!自然で培う様々な能力
好奇心の深まりと世界の広がり。
これこそが2歳くらいからグンと成長する様々な能力の底上げをしてくれます。自分で移動することができるようになるからこそ、自分自身で選んで世界を広げていきます。そのできた気持ちが、いろんなことに手を伸ばすやる気に繋がり、また新しい発見を生むのです。この繰り返しで集中力は育っていきます。
ここで自然が与えてくれる力はとても良いものになります。正解も不正解も、際限も制限もない自然の中だからこそ、できることは無限大であり、そこに工夫する力も生まれてくるからです。
子どもは本能的に危ないも怖いも分かっている
この頃、はっと気づくとどこかへ走り出した、何でも触りたがる…なんてこと、自由にさせたくても何をするかわからないから目が離せない…と、予想外の行動に不安を覚えることがあるかもしれません。
しかしこの予想外の行動は、大人にはない柔軟な考えであり、型にはまっていない良さでもあります。学びのチャンスです。転ばぬ先の杖になりすぎないように、できるだけ自由にチャレンジさせ、見守ってあげてください。
私が森のようちえんなどで一緒に過ごす子どもたちは、実は何となく危険予知をしていることがあります。ちょっと高いところからジャンプしたがる子も、さすがに落ちたら大けがに繋がりそうな高さからジャンプしようとはしません。
時々、兄姉を真似て「自分にもできる!」と少々無謀なところから、チャレンジしようとすることはありますが、あらかじめ「これは痛いよ」「これは危ないよ」と真摯に危険を伝えていれば大抵の子どもは何とはなしに意識して行動します。そういう子どもほど、チャレンジしている事柄に対してケガの頻度や重症度はものすごく低いのです。
集中力がつく自然との関わり方の例
どんな経験をすれば集中力が育つのでしょうか?集中力のきっかけは、好奇心とやる気、そして新たな気づき…の繰り返しです。下にいくつか例を挙げますが、実際は子どもがじっと何かに取り組んでいればどんな関わりであっても、集中力に影響を与えています。
観察
アリの行列をじっとみてみたり、それがどこに繋がっているのか一緒に追いかけてみたり、川の流れを観察するのも子どもにとっては楽しくて不思議な観察体験です。
じっと眺めるという行為は一見、眺めているだけ…と思いがちですが、頭の中は新しい情報を脳内にインプットし続けます。川で葉っぱを何度も流して、どう流れるのか観察すると、速い、遅い、高い、低いなどの認知脳力も備わってきます。
私は、芋虫の観察をしたり、寝転がって雲の形や流れを観察している子どもを見かけたことがあります。それはそれは面白い感想を教えてくれます。
集める
木の実を集める、丸い石を見つける、など、どんなものでも興味を持って集めたり探したりすることは、集中力に繋がっています。砂粒を拾っては箱に入れ、葉っぱを拾っては入れ…も楽しくて新しい遊びです。手先も器用になっていきます。
走り回る
ひたすら走り回っている姿を見ることがあります。公園や森で丸太を一緒に飛んだり、ひたすら段差を上がったり下りたりすることも、集中力のついている瞬間です。これは、体力、筋力も一緒についてきます。
この体験で大切なのは、何かをしている時にむやみやたらに話しかけない事。急に声をかけられると、集中が途切れます。大人でも、仕事で何か文章を考えている時に急に話しかけられたり電話が鳴ったりすると、もう一度集中するまでには結構な時間がかかるもの。
子どもの体験は全てが学びの瞬間です。もし、話しかけられた場合はいろいろと話を聞いてあげてください。一緒に新しい発見を共有することも、次の集中力へのヒントになります。