“自由で独創的”と“お手本通り”はどちらも素晴らしい才能

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自由で個性的な創造力を持って生まれる子、育てて身につく子

最近の社会では独創的に、個性的に、そして人との違いを認め合いましょうと言われることが増えつつあります。学校教育の中でも、自主的かつ柔軟な発想を引き出すような活動が増えてきています。

ただ、知っていてほしいことがあります。それは「自由に作ってください」と言われて、最初から独創的な発想ができる子ばかりではないということです。例えば、子どもの中には製作に取り組む際に“自由に”自分の思い通りに作りたい子もいれば“自由に”と言われると困ってしまう子もいるのです。

独創性がないと短所なのではないかと思うお母さんもいるかもしれません。しかし、これは短所ではありません。子どもが持って生まれた特徴のひとつであり、長所でもあるのです。この長所を伸ばすことで社会に出たときに役に立つこともあるのです。では、この特徴と伸ばし方を考えていきましょう。

自由な発想ができることだけが良いというわけではない。観察や再現力があるということ。

子どもには、自由な発想をするのが得意な子どもとそうでない子がいると言いました。自由な発想が最初からできなくても心配したり焦ったりする必要はありません。

そんな時は、子どもの行動を思い出してみましょう。自由な発想が苦手な子は、観察力が高く、先生の指示や指導をよく聞いて再現する力があります。

その結果、観察力が高い子は、お手本通りに作ることが得意ではないでしょうか。これは自由な発想と同じくらいとても大切な長所です。模倣する力、指示や指導を再現する力がある子は、ぜひお手本通りに作ることから始めてみましょう。

“自由に”が苦手な理由「失敗したくない」不安を安心に変えるのが観察

例えば、私の娘は“自由に作りましょう”というお題が苦手です。苦手な理由の一つに正解が分からないと不安だからというのがあります。好きなように作りたい気持ちよりも、間違えたくないという気持ちが働くのです。

先日、幼稚園の参観日に製作がありました。先生が「ここからは自由にしていいです」と言われたのですが、娘は固まっていました。お友達や先生の次の行動を観察していました。

しばらくすると、先生が作業を再開し、出来上がったものを子どもたちに見せてくれました。それを見た娘は“なるほど”という表情で作業に取り組み、ある程度進んだところから自分の好きな色で塗ったり書き加えたりしていました。

社会には新しく創り出す子と同じくらい、今あるものをより良くする子も必要

自由な発想から何かを生み出す創造力が必要だと言われる時代がきています。私は同じくらい“今あるものをより良くする力も必要”だと思っています。

創造することがそれほど得意ではない子は“最初の一歩”は、お手本通りに作ることから始めてみましょう。

お手本通りに真似して作ることは恥ずかしいことではありません。作っている途中に、楽しく個性豊かな作品へと変化していくこともあるでしょう。お手本通りに模倣する力を発揮することもあるでしょう。子どもの能力は、伸びたい方向であるならばどの方向に伸びてもいいのです。

何よりお手本から発展することができる子は、大人になったときに今あるものをより良くする力を備えています。

社会は新しく創造する人、今あるものを改善する人など、さまざまなタイプの人が自由に能力を発揮することでより良くなっていきます。子どもが伸びたいように伸びる過程で、ほかの力も必ずついてきます。

最初から創造するのが苦手な子は、ぜひお手本通り作る安心感の中から改善することで個性を発揮すればいいのです。

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この記事を書いた人

波多野 裕美のアバター 波多野 裕美 ままとこネットライター/キッズコーチング®トレーナー

子どものミライを育てよう  ミライノキ代表
九州初キッズコーチング協会認定トレーナー。気負わず学べる講座。PTA、公民館連合会、教職員向けの講演会や勉強会も好評。個人相談や幼児教室など関わった人数は現在約600人超。9歳4歳の5歳差育児中。

皆の笑顔が大好物。基本的に人が喜ぶ顔を見るのが好き。キャンプでは焚き火をぼーっと見るのが幸せ。

ママガールwebにてコラム執筆中/stand fmにて音声配信中

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