子どものやる気スイッチが入った瞬間を見たことがありますか?
「そういえば、その瞬間を見たことがないなぁ」と思う人もいるかもしれません。もし、その瞬間を見たことがなかったとしても、安心してください。
ちょっとしたきっかけで「スイッチが入った瞬間を発見する」という、感動的で衝撃的な体験はこれから先、いくらでも可能です。
やる気スイッチの種類
子どもはそれぞれが輝く個性を持っています。それと同様に、ひとりひとり、やる気スイッチは違います。
場所も違えば大きさ、形、重さ、素材、数、そして起動する速さ…全て違っています。小さなきっかけで入るスイッチもあれば、大きなできごとで入ることもあります。
ゆっくり切り替わることを得意とするスイッチを持っている子どももいれば、急速に切り替わるスイッチを持っている子どももいるのです。スイッチの数は無限大です。
この多様なスイッチ、どうすれば起動させられるのか…。悩んでしまいますね。
しかし、このスイッチたち、大まかに分類していけば、よく似たスイッチで分類することができます。
例えばストレートに応援されるとやる気になる子、見守っていてくれるだけいい子、一緒にやることで楽しくなる子、ゴールが見えると走り出せる子…など、いつもよりちょっとだけよく観察するだけで、その子に合ったスイッチの押し方をいくつか見つけることができるのです。
やる気スイッチの不思議 ~言葉~
某人気アニメでこんなシーンに出会いました。
ある訓練に取り組まない2人に対して、登場人物がにっこり笑顔で声をかけます。
1人には「できて当たり前ですけど、できないのならば仕方ないですね。大丈夫ですよ!できなくても。まぁ、できて当たり前なんですけどね」。
もう1人には、その子の手を取り「誰よりも応援していますよ!」と言ったのです。
かくして、この2人はほぼ真逆の言葉を受け取りました。
ですが2人とも、この後すぐにその訓練に「真剣に取り組んだ」=「やる気スイッチが入った」のです。
この言葉がけは、それぞれが持つ内面的特性にピッタリ合った言葉のチョイスでした。もしもこれが逆であったなら、2人のスイッチはどうなっていたのでしょうか?
誰かのスイッチを押す言葉が、自分のスイッチを押す言葉とは真逆の時もあります。どんな言葉がぴったりくるのか、いろいろと試してみるとステキな言葉が見つかるタイミングが必ずきます。
やる気スイッチの不思議 ~行動~
ある女の子の話です。
その子は授業で興味が持てないことがあると、いつも空を見つめながら自分の世界を楽しむことが好きでした。
また、その子は、休憩時間にぴょんぴょんと跳びはねながら床のタイルをひとつずつ数えることが大好きでした。タイルの1つ1つにその子の宝物が隠してあるようでした。
ある日、ふと思い立って、いつまでも覚えられない掛け算の問題と答えを交互にタイルに裏返しで貼ってみました。すると次の算数の時間、その子は目をキラキラさせて1つ跳んでは問題をめくり、1つ跳んではその答えをめくり…。
あんなに興味が持てなかったはずの掛け算を、あっという間に覚えてしまったのです。
この行動への働きかけは、その子の興味関心へどうアプローチするかのひらめきでした。
いろんな言葉でスイッチを押してみようと思っても、なかなかその言葉を見つけられない時もあります。そんな時は、その子に合ったやり方を促すことも、その子のやる気スイッチを押すきっかけになります。
やる気スイッチを押すためのヒント
そろそろ、誰かのやる気スイッチを押してみたくなったでしょうか?そんな時は、まず今よりも少しだけ子どもの言動に注目してみてください。
例えば、新しい何かにチャレンジしてみてほしい時「きっと楽しいよ!」と、“言葉で聞いて”ワクワクした目に変わる子には「やってみたら?」と声をかけます。
楽しそうなその場の“姿を見て”キラキラした目になる子には「一度見てみようか?」「みんな楽しそうだね!」と伝えてみます。
やりながら“少しずつ楽しいを見つけ”だんだん笑顔に変わっていく子には「しばらく一緒にやってみようか?」と手を取ってあげます。
また、ヒントの1つとしてキッズコーチング®では子どもの持つ特性を“気質タイプ”で5つに分けており、タイプに合った声掛けの方法を知ることができます。
「どこにスイッチがあるの!?」とイライラして間違った場所を押し続けていると、その場所に青あざができ、それが心のシミへと変わることもあります。焦らず、ひるまず、楽しんでその子に合った言動を探していきましょう。
やる気スイッチのない子どもはいません。根気よく探してあげてくださいね。
もちろんこれはあなたにも当てはまります。今から、子どものやる気スイッチを探すための「あなたのやる気スイッチ」を押してみませんか?