子どもと意思疎通するカギは、100の言葉より1つの「形」

みんなでなにかしようとする時、子どもに指示を出してもなかなか言うことを聞いてくれない、言っていることを理解してもらえない、ということがありますね。

今回は私の教室で取り入れているとびっきりの方法をお教えします!

目次

子どもの注意を引きたい、指示に耳を傾けてほしい!

子どもの注意をこちらに向けたいとき。注目してほしいときや、がやがや口々に騒いでいる中で、話を聞いてほしいとき。または、口で何度言っても右から左に抜けてしまうとき。

大人がやってしまいがちなのが、大きな声で指示を出すという行為

しかしながら往々にしてうまくいかないことが多く、かえってその場を乱してしまう、といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回はそんなときに効果的な“プレイシング”という方法をご紹介します。

ポイントは「見える化」すること

「場所」を示す英語からきている「プレイシング」とは、テープやラインなどで場所や並び方をはっきりと分かるように提示し、イメージしやすい具体的な形で「見せる」こと。

並んでほしい位置、見てほしい方向といったものは「視覚に訴える」「見える化する」ことがポイントなんです。

というのも、楽しい環境で一旦興奮すると、子どもは感情の高まりを押さえきれません。

普段どんなにもの分かりのいい子どもであっても、気持ちが高ぶっている時に大きな声で指示を出しても耳に届かないのは仕方のないことでもあります。

そこで有効なのが、目に見える形で理解させ、体の動きをコントロールさせることなのです。

なぜなら、体の動きを規制するということは実は感情をクールダウンさせることにも直結するからです。

具体的なイメージが、体とこころをコントロールする

たとえば、私自身のリトミックレッスンでも、仲良しで心を許しあえる仲間だからこそ楽しくて子どもたちがヒートアップしてしまうことがよくあります。

そんなときは、例えば各々が立つ場所やリズムに合わせて進む方向止まる位置といった要素を【見える形】で提示します。

「まっすぐ並んで、そこから前に向かってリズムに合わせてステップして進んでね、大股で行き過ぎると壁にぶつかるから、お部屋の真ん中ぐらいまでで、ちょうどいいくらいの歩幅だよ」

なんて言葉で指図されても、大人でも一度にそれを理解して行動に移せるでしょうか。まっすぐって、縦に?横に?前に向かってとは、どちらに?先生に向かって?そもそも並ぶときはどっちを向いて並ぶの?

頭の中には「?」がいっぱい。具体的にイメージできません。だからこそ、100の言葉で説明することなく、テープや印で1つの“形”を見せるのです。

それだけであっという間に子どもたちは我に返り活動の内容を理解し、自分自身の動きをイメージしてくれます。どんなに必死で言葉を紡いでも通じないことも、まさに「百聞は一見に如かず」なのですね。

おのずとイメージした通りに自分自身の体の動きを制御できるようになり、同時に気持ちも落ち着き集中できるようになります。

おうちでもできる具体例

何度言っても同じことを繰りかえす、言うことを聞いてくれない、指示が通じない。そのようなお困りごとは、見える化で解決できることがお分かりいただけたでしょうか?

この“プレイシング”は、実はおうちの子育てでも簡単に取り入れることができます

例えば、

  • おもちゃを収納する箱には片づけるアイテムを写真に撮ってラベルのように貼っておく
  • 靴を揃えて並べてほしいならそろえた靴の形のシールを玄関の足元に貼っておく
  • スプーンの柄のどこを持つべきか教えたかったらその位置に何か印をつけておく

などといったことです。ぜひ今日から試してみてくださいね。

見える形が、明確で詳細であればあるほど効果的ですよ♬ 指導者の方や、子育て中のママにとって、何かのヒントになりますように♪

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この記事を書いた人

南波明日美のアバター 南波明日美 ままとこネットライター/キッズコーチング®トレーナー

”ママの強みと子どものキラリを引き出し伸ばすコンシェルジュ”
「子どもの資質を開花させ、幸せな子育てを応援する」を理念に掲げるリトミックスタジオkirari代表。約3000人の子どもをリトミック指導。【親子の非認知能力】を底上げするリトミック教室として、大人向けの子育て講座、講演なども行う。

趣味は箏、読書、家族でキャンプ。テントの中でのお昼寝が至福のひととき。

元国際線CA/3児の母

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