秋風が吹き始め、運動会シーズンがやってきました。子どもたちの頑張る姿を家族みんなで応援したいものです。
そこで気になるのが祖父母とのこと。運動会に招待する?しない?来たいといわれるけど遠いし体力的にも…など、いろいろ考えるけれど、それをどうしたらいいのか、どう伝えるべきか悩ましいと感じることはありませんか?
そんなときに、自分の気持ちを伝えながら相手の気持ちを否定しない方法や、運動会を家族みんなで楽しむアイデアについて考えていきましょう。
楽しみ方はいろいろ。運動会をお家で応援するのも心配事をクリアする方法
子どもの成長をともに喜びあえる行事の1つである運動会。当日家族全員で応援に行くと、子どものモチベーションも上がることでしょう。
しかしながら、当日の天候や開催時間によっては高齢の祖父母に長時間会場にいてもらうことが体力的にも体調面でも心配なことがあります。また、お弁当の中身に、運動会後のスケジュール…と考えることが増えるご家庭もあるかもしれません。
最近では祖父母の会場でのマナー違反についての声が聞かれることも増え、地域性や時代背景、コロナ禍で変更した学校でのルールを事前にお願いしておく必要のあるご家庭もあるようです。これらは視点を変えれば、応援に来てくれる祖父母側にも同じように負担がかかることでもあります。
そんな時は思い切って、お家で楽しんでもらうのはどうでしょうか。後日、子どもと一緒に訪問し、録画や写真を子ども目線の感想や実況中継とともに観賞し、ダンスなどは目の前で踊ってみてもらうなども1つの方法です。祖父母も当日暑い中、会場で孫がどこにいるのかを探し、小さな姿を見るよりも動画とセットで目の前で見られるほうが嬉しいこともあります。
また、最近では動画配信方法も手軽になりました。当日、家にいながら実況中継を観賞するのも家族全員の様々な負担が軽減されます。どうすれば不安や課題をクリアできるのか、ぜひ家族でも話し合ってみてください。きっとオンリーワンのオリジナルアイデアが生まれると思います。
必要な部分は楽天的に捉えるだけ。わが家の運動会の楽しみ方
わが家では〝祖父母の参加は祖父母の予定や気持ちと、園や学校からの通知で決める″と決めています。毎年なのか節目の時だけお誘いするのかなどに囚われず、行事という行事はお誘いではなく〝お知らせ″として会話の中でお伝えしています。
あえてお誘いしないのは、祖父母がこちらにとても気を遣ってくださるのを知っているからです。来られるときは要望を伺い、こちらも不安なことやお願いがあれば早めに連絡しています。基本的に連絡も夫婦で、言いやすいほうが言いやすい時に連絡しています。
時には子どもに連絡してもらうことも。来られない時は、後日動画や写真をアルバムデータにして贈ったり、当日中にダイジェストを送信したり気楽に工夫しています。また、お盆や年末年始に改めて子どもの解説付きで観賞することでも楽しめました。
過去、祖父母に思いを伝えることは難しいと感じる時期もありましたが、今は楽天的にみんなで楽しめる方法をその時々に話し合おうと決めています。現状判断しながら相手の気持ちを受け止めたうえで、こちらの気持ちを伝えるようにするアサーティブな方法を使うことにしたことで心がぐっと楽になりました。
そして上手く気持ちが伝わらなかったときも「そんな時もある」と受け止めて、自己肯定感をキープすることも大切だと感じています。
相手を尊重しつつ自分の気持ちを伝える アサーティブなコミュニケーション
元々コミュニケーションが苦手、祖父母と会話するときに自分の思いをついつい我慢してしまう、という人のなかには、気持ちをため込みすぎて体調を崩してしまう人もいます。これを回避するための1つの方法として、相手を尊重しながら自己表現や自己主張を行うアサーティブなコミュニケーションがあります。もともとアメリカの女性たちの間で注目されたもので、自分の気持ちを表現しつつ相手も嫌な気持ちにならない伝え方だと言われています。
アサーティブを実践する方法は、まず現状把握をし、自分と相手の気持ちをはっきりさせたうえで自分の思いを伝えることです。具体的には以下の手順を参考にしてみてください。
- 現状把握:相手の要望やそれが可能か不可能かなどを認識する
ex.祖父母に運動会に来たいと言われた。学校側はコロナ対策でできるだけ少ない人数でと言われている。蜜を避けるために日よけテントの設置はない。祖父には持病がある。運動会後自分も疲れている可能性がある。
2.感情の明確化:できるかどうかも含め、自分がどう感じているのかをはっきりさせる
※長時間の炎天下になると祖父母の体調面が不安。翌日は仕事なので自分も早めに就寝し体調を整えたい。
3.希望の具体化:最終的にどうしたいのかを具体化する
ex.今回は不参加にしてもらい、代わりに次の連休に帰郷して一緒に動画や写真観賞をしながらみんなで運動会の話をするのはどうか。当日、子どもに電話して結果や思いを伝えることで納得してもらいたい。
4.感情の受止め:相手の思いを聞く。わからない部分ははっきりさせる。
ex.保育園最後の運動会を見たい、コロナ禍で3年参加できていないという思いも理解できる。せっかく遠方から行くのだから運動会後に観光したい気持ちがあるという考えを祖父母が持っていることも確認できた。
5.冷静な判断とI(アイ)メッセージ:その時の相手の感情に影響されず「I(アイ)=自分は」どうなのかを伝える。
ex.私は祖父母の体調が心配。学校側の状況もあり、後日、一緒に動画観賞したい。解決策の1つとして、私は次の連休に祖父母に来てもらい、ゆっくり観光もしてもらうことで時間と心に余裕ができると考えている。
ここで大切にしたいのは、相手の気持ちをしっかりと受け止めながらも、感情に流されず自分の気持ちをきちんと伝え、お互いが納得できる方法を探ることです。
1番大切なのはどうしたいか。わが子にも使える方法で、家族で楽しい運動会を!
ここで、家族の一員であり運動会の主役である子どもは、祖父母にどうしてほしいのでしょうか?もしも自分と子どもの思いが違っていたらどうしますか?
こんなときこそ子どもにも同じようにアサーティブな方法で気持ちを聞いてみてください。きっと子どもの成長にも役立つに違いありません。例えば、子どものふとした言葉に「今の子どもの発言、自分と同じ言い回しだった!」と感じたことはありませんか?
子どもは大人の真似をしながら人とのコミュニケーションを学んで成長していきます。まずは親が良いお手本になるよう、家族のコミュニケーションを工夫しつつ、自分を含めたみんなの思いを大切にしたイベントの過ごし方を探してみてください。