わが子が人見知りで消極的だったり、日頃から小さな変化に不安を感じやすかったりすると「新しい環境は大丈夫だろうか」「友だちはできるだろうか」と、お父さんお母さんは多かれ少なかれ心配になりますよね。人見知り、場所見知りさんにとって大切なのは家族からの「ありのままで大丈夫♪」の言葉です。お母さんお父さんの笑顔とこの言葉が、何よりも安心材料になる…そんなお話をしたいと思います。
親の笑顔と心の余裕で子どもの緊張感が和らぐ
初めて会う人がいたり、環境が変わると、不安になったり消極的になったりする子どもは、周りの人のちょっとした変化に気付くことのできる繊細さがあります。そして毎日を一生懸命まじめに過ごしています。
周りの変化に敏感なので、親の気持ちにも敏感です。お父さんお母さんが心配だな…大丈夫かな…と考えていると子どもにもしっかりと伝わり、一緒になって不安のループが始まってしまいます。
また、人見知りさんは優しさもピカイチ。優しい親の心配に応えたくて気負ってしまい、それがかえってプレッシャーになることもあります。
進学や進級前の不安がある時には、期待感のあるドキドキとワクワクに変えられるような声掛けが効果的です。
「春になると気持ちもぽかぽかしてくるね。」
「新しい通学路、見に行ってみようか。楽しみだね。」
など、新しい環境へのワクワク感を親から笑顔で伝えてみるところから始めてみませんか?
笑顔で「きっと大丈夫♪」と話す親の顔を見ているうちに、子どもの気持ちも少しずつ和らいでいきます。
心配事や不安は外に出そう!前もってできるお家での対策
お家でできる対策の1つに、毎日の何気ないコミュニケーションの中で、自分の気持ちを言葉にするというトレーニングがあります。
何でもいいので少しずつ言葉に変えて外に出すと、心が軽くなるのです。
わからないからと気持ちを心にしまい込んでいると、不安や心配はどんどん大きくなって体の不調につながることもあります。
私自身も小さい時には極度の人見知り、場所見知りで、初めて会う人が怖くて仕方がありませんでした。なぜ怖いのか、その理由ははっきりわからないことも。
それでも母親に「お腹の下から黒くてもやもやするのがいっぱい上がってくるんよ…」と何とか気持ちを言葉に変えることで少しずつ楽になったのを覚えています。
そしてその後、母親にぎゅっと抱きしめてもらうことでほっとしたことも忘れられません。
もし、はっきりと心配事の原因がわかる時には、前もって解決策を立てておくのも効果的です。
例えば、初めての場所に行くのが怖いのであれば「お散歩しよう!」と何度かそこへ足を運んでみたり、行けない時にはネットや写真でバーチャル探検するだけでも不安はずっと楽になります。
先生とお天気を味方につけよう!両手を広げると効果的!?
クラスの先生やサポートしてくださる先生としっかりコミュニケーションを取っておくことも対策の1つです。
人見知りさんは基本的にあまり目立つ行動をしたがりません。なので、困っていても先生に「困っています」と伝えられなくて先生から見過ごされてしまったり、頼まれたことを断れずにしんどくなってしまったりすることがあります。
私の知っている子は、他の子を叱っている様子を見て怖くて泣き出してしまったり、クラスに入れなくなったことがありました。
先んじて先生に子どもの特徴や普段の様子を伝えておくだけで、先生側もきちんと目を配ってくれます。
子どもは、そこに自分の味方がいると感じると随分と気持ちが楽になり、不安も小さくなります。慣れてしまえば大丈夫という人見知りさんは多いので、慣れるまではマイペースに時間が解決するのを待つことも大切です。
それでも気持ちが消極的になる時は、空に向かって両手を上げてみる作戦を使いましょう。
青空の見える良いお天気であればなお効果的です。脳科学的にも、空に向かって両手を広げることは、人間が落ち込むことができない方法の1つ言われています。
気持ちが上向きになれば、不思議と勇気が湧いて、人見知りさんも一歩前に出ることができるチャンスが到来するのです。
人見知りは人を大切にできる証!「そのままでOK」と安心させるところから始めよう
人見知りさんは初めての人と関わることに大きな不安を持ちがちですが、それは相手を傷付けたり、不快にさせたくないという優しい気持ちの表れでもあります。
人が嫌い、関わりたくないというわけではなく、むしろ関わりたい、仲良くなりたいという気持ちに溢れていることが多いのです。
時間はかかりますが少しずつ距離を縮めることができます。焦らずその子のペースで慣れていけばOKなのです。
本人が不安になったり焦ってしまったりするかもしれませんが、そんな時こそ「大丈夫♪あなたのままでOKなんだよ」と笑顔で伝えていくと、少しずつ少しずつ、その子のペースで場所や人に慣れていきます。
親自身が不安になった時は「時間が解決する!」と心に余裕をもって子どもを送り出してみませんか?そして、帰ってきたときに「今日も頑張ったね!」と笑顔でハグしましょう。大事なのはその日の結果ではなく頑張ってきたという経過そのものなのです。