お母さんは子どもが話せるようになったら子どもの代弁者を卒業しよう
私たちお母さんは、子どもがまだ話せずに泣くだけだった赤ちゃんのころからずっと、子どもを観察して相違のないように子どもの気持ちを周りの人に代弁してきました。
少し話せるようになっても、お母さんが答えるほうが意思の疎通もスムーズで効率的です。
ところが、このようにお母さんが先回りして答えてしまう状況が続くと“黙っていても、大人が察して何とかしてくれる”と思う子に育つことがあります。
練習すれば“子どもが答えられないから先生から対応してもらえない”は変えられる
入園入学の際に子どもが困ることの一つに“自分が困っていることを先生に伝えられない”ということがあります。
具体的な事例では、忘れ物をした、トイレに行きたい、お腹が痛い、などです。
たとえ先生が「どうしたの?なにか困っていることがあるかな?」と聞いたとしても、子ども自身が答えられないと対応できません。
すぐに言える、言えないというのは生まれ持った気質も関係がありますが、どのような気質だとしても、これは日常的に練習をすることでできるようになります。
子どもの自立を願って子どもの代弁者から、応援団に変身しよう
病院での出来事です。お医者さんが子どもにどこが痛いの?と尋ねて、それにすべてお母さんが答えているのが聞こえました。やり取りを繰り返しているとお医者さんは「僕は君に聞いているよ」と言いました。
その後に聞こえてきた声は声変わりをした男の子の低い声でした。
男の子がボソボソと答えるのにかぶせるようにお母さんが答えていましたが何度もお医者さんから「お母さん、痛いのは彼だから」と止められていました。
大人に自分の気持ちを伝えるのは勇気が必要。親子で少しずつできたを重ねて
大人から質問されて答えたり、大人に自分の気持ちを伝えたりすることは、簡単なようで子どもにとっては勇気が必要なことです。
これができるようになるために“聞かれたことに対して自分の言葉で答える”という練習を始めましょう。誰かに「今日は何を食べたの?」と聞かれたときに、少し待ってみましょう。
これまで代弁していたお母さんには、その一瞬がとても長く感じるでしょう。始めは伝わらなくても大丈夫。
これからは、答えようとした→声が出せた→自分で言えた→伝わった。とステップアップをしていきましょう。
お母さんは観察しながら、さり気なくサポート役に回ってください。子どもが少しずつできるようになったことを実感すれば、入園入学準備が一つ整います。