子どもにとっさの指示を出したいとき「◯◯しないで!」と声を書けることが多いのではないでしょうか。でも子どもは聞いてくれない、結局やってしまう、ということがあると思います。
実はそれには明確な理由があるのです。
子どもには肯定形で声をかける
コロナウィルスが世の中に広がって、もしかしかするとママたちがよく使っているかもしれない言葉「触らないで!」
外出時に周りにあるものを触ってしまう我が子、そのままお顔を触ってしまう我が子に、思わずそんな声かけをしていることが増えたのではないでしょうか。
不用意にものを触ることをどうしても心配してしまうシチュエーションが増えた昨今だからこそ、ぜひ覚えてほしいのが肯定形で声をかけることです。
否定形はイメージが理解しにくい
電車の中で騒ぎ出した子どもに「大きな声出さないで!」
公共の場で駆けだした子どもに「走らないで!」
高いジャングルジムにのぼっている子どもに「落ちないでね!」
こんな声掛けを、子どもとの生活の中ですることでしょう。
実は「〇〇しないでね」という“否定形”での注意の仕方は、子どもには理解しにくいと言われています。
「落ちないでね」と言われると、まず落ちたイメージが頭に映像として浮かんでしまい、その言葉に気を取られ本当にそうなってしまう確率が上がってしまうのです。
ではどうするか。
上の事例ならば
「静かに話そうね」
「一緒に歩こうね」
「しっかりつかまってね」
の“肯定形”で声をかけることで、指示が的確に伝わるのです。
伝え方の実践例(指導者の立場から)
例えばリトミックレッスンの中で、物珍しい楽器を取り出した時。まずはこちらを見て音をよく聴いてほしいのに、瞬く間にみんなの手が出てきて取り合いになることがよく起こるシーンです。
そんなときは「触らないでね」ではなく、前もってひとこと「まずは見るだけね。静かに聴いてね」と伝えます。
例えば、旋律を歌いながら「はあい♫」と歌いながらお返事してほしいとき。喉のコントロールがまだ未発達なせいで、3歳ごろまでは歌うときにはとにかく大きな声を張りあげがち。
そんなときは「大きすぎる声にならないでね」ではなく「優しいお歌の声でお返事してね」と伝えます。
肯定形で伝えると、なりたい姿を同じイメージとして子どもたちと共有することができて、お互いにストレスがなく、レッスンもとてもスムーズ。
伝え方を変えるだけで、子どもへの届き方が全く違うことを毎回実感しています。
同じイメージを共有する
「〇〇しないで」の否定形から、「〇〇してね」の肯定形に言葉を入れ替えるだけ。
とてもシンプルで簡単なのですが、習慣にするには毎日の実践が大切です。
つい「触らないで!」と言ってしまいそうになったら都度ふと注意して、「見るだけね」「手を繋いで歩こうね」と声をかけてあげてくださいね。
大人が意図したのと同じイメージを、子どもが頭に浮かべられるようになるためのちょっとした声かけのコツです!ぜひ試してみて、効果を実感してください!
私からも、否定形を使わないでくださいね、ではなく「肯定形を使ってくださいね!」と最後にもう一度、お伝えしておきますね♬