子どもの嘘って、親なら必ず一度は突き当たる壁ですね。
自分の正しさと子どもの主張と…。
正しくあってほしいと思うほどに頭がいたい事柄です。
実は、私もこれで随分悩んた時期がありました。
その経験をもとに、今実感していることをお話します。
子どもの嘘、許せる?許せない?
小さな子どもの嘘や言い訳。大人からしてみると見え透いたものだったり、簡単に見破れるものだったりすることがほとんどですよね。
そんなとき、どうしていますか?嘘は許せない、とばかりに叱りますか?言い諭しますか?
実は嘘や言い訳は、問い詰めずに受け流し、解決策を考えさせることが大切です。
確かに嘘をつくことは良いことではありません。ですが、子どもが嘘や言い訳の言葉を並べるときというのは、その裏にさまざまなメッセージが隠れているんです。
嘘の裏に隠れているメッセージ
「本当のことを言うと叱られそう」
「悪い子と思われたくない」
「自分の意見を聞いてもらえない気がする」
「失敗が嫌だ。間違うのが怖い」
それが嘘の裏に隠れた本心。
つまり、子どもが嘘をつくのは、嘘や言い訳を言わなければ身を守れない状況に立たされているときなのです。
ですから、まずは責めるのではなく、子どもが自分のまわりに打ち立てた、分厚い自己防衛の壁を取りはらうことが先決なのです。
自己防衛の壁を取り払い、解決に向かわせる言葉かけ
たとえば宿題したの?と聞けば「今からしようと思ってたのに!」と返ってくる。
お部屋散らかしたのね、と言えば「お兄ちゃんがやったんだよ!」と答える。
幼稚園のおもちゃ持って帰ってきちゃったのね、と確かめれば「知らない。もらった」と言う。
そんなこと、ありませんか?
ちなみに、これらはすべて我が家でのできごと。かつて私はそれらすべてを問い詰め、責め続け、本人が認めるまで許しませんでした。
その結果、息子たちは宿題のプリントを隠すようになり、兄弟げんかをするようになり、さらに嘘を重ねるようになりました。
嘘や言い訳は、自分が傷つくのを避ける、必死の自己防衛反応。
硬い鎧を何層にも重ねてまわりを警戒し、他人の評価から身を守り、常に攻撃されまいという袋小路に追い込んでいるようなものだと気づきました。
大切なのは真相を問い詰め暴くことではなく、嘘や言い訳をさらりと受け流し、どうすればいいかという解決策を一緒に考えること。
今からやろうと思っていたなら「そうだったのね、自分で計画してたのね、頑張ってね」と言えばいい。
自分でやったのでなくても「きれいな部屋の方が気持ちがいいから片づけを手伝ってくれると嬉しいわ」と言えばいい。
幼稚園のおもちゃはやっぱり幼稚園に返そうか、と一緒に返しに行ってやればいい。
そう思えるようになりました。
行動に責任をとるという経験をさせよう
責められないことが分かれば、子どもの方から安心して本当のことを言ってくれることも少なくありません。
随分時間が経ってすっかり忘れた頃に「実はあのとき・・」なんて打ち明けてきてくれることも我が家では多く、本当は嘘をついたことを悔やんでいることがひしひしと伝わってきたことを覚えています。
真相や意図を問い詰めるとさらに逃げ場を求めて子どもは嘘を重ねるだけ。
それよりも、どんなときも親は自分の味方であり、家は安心して自己開示できる環境なのだということを教え、自分の行動に責任をとるという経験をさせることが重要です。
嘘をついたり言い訳を言っても意味はなく、何も解決しないことを身をもって知れば、自分で自分をありのままに認め、自分の行動に責任をとれるようになるのです。
ですから、子どもの嘘や言い訳はその場で受け流し、どう行動すればいいかに焦点を当てて導いてあげてくださいね。
こうやって改めて振り返ると、その頃の自分にも教えたい気持ちでいっぱいになります。
ぜひこれを読んでくださった方は嘘を責めるよりも解決法を一緒に考えて、お子様の責任感を養ってあげてください!