人に優しくできる子になってほしい。ですが、口で説明しても子ども本人が本当に意味を理解するのは難しいもの。
それならいっそのこと、遊びの中で優しい心を育てましょう!
たったこれだけ?優しい子どもが育つ魔法の言葉
優しい子になって欲しい、思いやりのある子になって欲しい。そんな思いはもしかしたら多くのママたちに共通する願いかもしれません。では、“優しさ”とは具体的に何なのでしょう?
そのひとつの答えとして、“相手の気持ちを推しはかる想像力”が挙げられるのではないでしょうか。相手の立場に立って、その痛みや喜びを共感できる力、自分がどんな行動をとれば周りの人が心地よいかをイメージできる力です。
これらの力は自分自身の実体験で育まれるほか、ごっこ遊びのような擬似体験でも伸ばすことができますよ。「〇〇になってみよう!」「〇〇ごっこをしてみよう!」は、優しさを育てる魔法の言葉です。
何かになりきるごっこ遊びはいろんな立場を経験できる
ごっこ遊びは誰かになりきって、それぞれの気持ちや立場を擬似体験しながらお友達と発展させていく遊びです。
いつもそばで見ている家事に大忙しのお母さん。憧れのドレスをまとった可愛いプリンセス。百戦錬磨のかっこいいヒーロー。さまざまなものになりきる中で、子どもはいろんな感情を味わうことができます。
ごっこ遊びを通して、子どもは自分以外の人の心情を推しはかる経験を積み重ねていっているのです。
特に5歳前後は想像力が最も育つ時期と言われていますので、微笑ましい光景を目にするママも多いかもしれませんね。ごっこ遊びの中では、子どもたちは何にだってなれるんです。
5歳女子のプリンセスごっこに見た想像力の発露(レッスン風景より)
私はリトミック教室を運営しているのですが、レッスンの中でごっこ遊びをすることがよくあります。
お城へダンスパーティへ出かける想定で音楽に合わせて活動していた5歳クラスでのこと。女の子たちの会話に思わずピアノを弾いていた手が止まりました。
ドレミ…と歌いながらお城への階段を登っていると、Aちゃんが「怪我をしちゃって歩けないわ」としゃがみこんでしまったのです。もちろん本当に怪我をしているわけではないのですが、すかさず手を取って「一緒に行きましょう」と声をかけるHちゃん。
ようやくお城の広間について拍子に合わせてダンスが始まると、「助けてくれてありがとう」と言ってAちゃんは色とりどりのスカーフをHちゃんの頭に巻いて髪飾りにしてあげていました。
「可愛いわ!ありがとう!同じ色でおそろいにしましょう」と言って今度は同じ色のスカーフを相手の腰に巻いてドレスにしてあげるHちゃん。そのあとは二人で仲良く、きらきら星を歌いながら眠りにつきました。
二人の会話に手が止まったのはその可愛さからだけでなく、お互いのことを思いやりながら活動している二人の想像力の高さを感じたからでした。まるで本当にお城の中で暮らしているプリンセスのよう。可愛く優しい主人公になりきっている二人の様子に胸がいっぱいになった一日でした。
自分以外の感情を体験するには「~になってみよう!」が効果的
いつもの自分ではなく、全く違う人の立場や気持ちを体験させるには「~になってみよう!」の言葉かけが効果的です。
例えばママになりきるおままごとも、子どもにとっては毎日家事や子育てに忙しいママの気持ちを想像する良い機会になっているに違いありません。
優しさとは相手の気持ちを想像する力。ぜひ、色んなものになりきって、相手の立場を擬似体験するごっこ遊びを日常に取り入れてみてくださいね。きっと優しい子に育つはずです。
10月はハロウィンシーズンですね!色んなものになりきる機会があふれている時期です。
ぜひ親子でごっこ遊びを楽しみながら優しい心を育ててくださいね♪