子どもの嘘は責めたてず、大人は聞き役に徹しよう
小さな子どもがつく嘘はつじつまが合わないことも多く、すぐにばれてしまう種類のものが少なくありません。子どもが嘘をついた時、「嘘をついてるのね。嘘はだめよ」と思わずきつく責めてしまうこともあるでしょう。子どもにまっすぐに育ってほしいと思うからこその親心ですね。
ですが子どもが自分の身を守るためにつく単純な嘘に対しては、それを真っ先に指摘することなく、なおかつ話を否定せずに最後まで聞いてあげて欲しいのです。周りを傷つけない嘘ならば、大人はそれに気づいても受けながし、聞き役に徹しましょう。
子どもの自己防衛のロックを外すのは、ありのままを受けとめてあげる包容力
嘘にも色んな種類がありますが、子どもが親につく嘘には保身の本能から来ているものも多いでしょう。
つまり、「これを言ったらママに怒られる」「真実を言ったらパパががっかりする」「知られたらダメな子と思われるかも」といった、自己防衛のための嘘です。必死で自分の存在価値を保とうとしている知恵でもあります。
そんな必死の策を、鬼の首でも取ったかのように指摘されては子どもも立つ瀬がありません。
子どもの話は「そうだったのね」とまずそのまま受けとめてあげましょう。その上で正すべき状況、解決できる行動を一緒に考えてあげる包容力が大人には必要だと言えるでしょう。
そんな経験を重ねていくうちに、自分の身を守るためのその場凌ぎの嘘は不必要であることを、子ども自身が実感できるに違いありません。
好ましくない状況を一番認識できているのは子ども自身
例えば、「あっ!宿題、もうひとつあったんだった!すっかり忘れてた!」と起床後に開口一番、大きくアピールしながら勉強机に向かう小学生の息子。実は我が家で頻繁にみられる光景です。
「昨日全部終わったって言ったじゃないの」と突っこみたくなるシチュエーションですが、そこは我慢。テレビを見たいがために「宿題はもう終わった」とごまかしたことは親ならば容易に想像できますが、敢えて指摘しません。「そうだったのね!大変!急がなくちゃね」と声をかけるのみ。
心の中ではね、
「コラー!!またかいっ!!」と
鬼の形相で叫んでいますよ笑
なぜならこれまでその方法で間に合わなかったことはないから。
息子本人ももちろん宿題はその日のうちにやるべきものと分かっています。ですがきっと本人の中でも、今テレビを優先させても朝の時間で間に合うくらいの量を加減して残している様子。
要領よく自分の時間を使う術を知っているならそれは本人に任せる領域かなと私は感じています。今後更に勉強量も増え、朝の短時間では手に負えないことを本人が痛感すればやがて自分で方法を変えるでしょう。
誰にも迷惑をかけず、自己解決しているわけですから「宿題完璧にやったと思ってたけどうっかり、忘れてた!」という発言の信憑性をあげつらう必要はありません。
本当は望ましくないことを一番認識しているのは本人。それをごまかすための嘘をついたことを追及することはせず、その言葉通り受けとっておきます。
あまりにも想定外に時間のかかる宿題だったために朝の余裕がなくなって慌てている時のみ「うっかり忘れは誰にもあるから、今度からは宿題の内容を学校から帰ってきてすぐに一旦確かめて、その場ですぐにやってしまった方がいいかもね」と声をかけるようにしています。
ママは“いい時も悪い時も、あなたの味方よ”と伝えよう
子どもはみんなママ、パパが大好き。大好きな両親を怒らせたりがっかりさせたりしたくないのです。子どもの嘘は、こう言えば相手がどう思うかということに思いを馳せる想像力が育っている成長の証でもあります。
自己防衛のための罪のない嘘は責めたてず、どうぞそのまま聞いてあげて下さい。嘘を含んだ話は、子どもが話しているうちにほころびが出てきてしまうこともよくあります。そんな時は「ほら嘘だったでしょ」と指摘せず、口ごもるわが子に「どんな時もあなたの味方よ。なんでも話してね」とぎゅっと抱きしめて伝えてあげて下さいね。
人を傷つける嘘、裏切る嘘の場合は、
道徳に反すること、人として間違っていることを
きちんと言い諭すことも必要です。
子育てを通して、親も自分自身の価値観を省みることが増えますね。