実例から知る“ぐっと心を強くする”子どもに響く言葉がけのヒント

ゆきほ/ライター

私が親になって思うことは、子どもには毎日を楽しく過ごしてもらいたい、困難にぶつかった時は心の支えになれる親でありたいということ。

そのためにどんな言葉をかけてあげられるのか、関わった子ども達から聞いた話をもとに少し考察してみたいと思います。

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子どもの心に届く言葉を掛けるために必要なのは、同じ目線に立つこと

自分を認められて育った子どもは、困難な場面でも前向きに取り組むことができるようになります。認められる経験が自分を信じる力となり、自分はできる、大丈夫、と思えるようになるからです。特に親からのあたたかな言葉がけは心の支えになり、不安な時にちょっと踏ん張れる力をくれます。

例えば「そんな気持ちになったんだね。お母さんにもそんな時あったよ」など、子どもと同じ目線に立つ言葉は子どもの心に届きやすいと言われます。不安な気持ちを受け止め、寄り添う声掛けをもらうだけで、子どもの心は救われ強くなるのです。

では、実際に子どもの心に届く言葉とは、どんな言葉のことでしょうか。学生へのインタビューから紐解いてみましょう。

自信をつけてくれた親の言葉(学生へのインタビューから)

私は20年以上子どもたちと関わる仕事をしてきました。その中で学生ボランティアの中高生や大学生と関わることも多くあります。そこで実際に小さい頃に親からもらったどんな言葉が心に残っているのか、ボランティアさん達に聞いてみました。

入学してすぐ、人見知りで話しかけるのが怖くて、親に友だちができないと泣いたことがある。その時「まだ始まったばかりじゃない。焦らなくて大丈夫だよ」と言ってもらった。安心したらいつのまにか友だちができた。

お母さんに「あの子嫌い」って言った時「言葉には魔法があるんだよ。嫌いって言ったらきっとその子もあなたを嫌いになっちゃう。笑顔で好きって言ったら世界が変わるかもよ」と言われた。それから笑顔で話していたらその子と仲良くなった。今でも人と繋がる時に思い出す。心を開くって大切だなと思って。

できないことがあって落ち込んでいた時に「今、頑張ってるってことは、もう半分以上できてるってことだよ。やり始めただけで花丸はもう増えてるんだから!」と言われた。何かにチャレンジする自分が好きになった。

失敗したり困ったりしたことを話すといつも「そんな日があってもいいんじゃない?そこからスタートでしょ」と笑ってくれた。今も何かいける気がしてる。

こうやって一人一人に細やかに話を聞いてみると、親からのポジティブな言葉や肯定的で大らかな言葉が、いかに子どもの心に残り、自信に繋がっているかを痛感しました。

ゆきほ/ライター

それにしても、なんてすばらしい言葉の数々!私自身も感激してしまいました。こんなふうに子どもが困っているときに、さっと言葉を投げかけられるようになりたいですね。

応援が否定メッセージになる!?そうならないためのポイントとは

子どもが何かに向かっている時、良かれと思ってかけた応援の言葉。いろんな話を聞いていると、子どもによってはその応援の言葉が逆の意味で伝わり、自分を否定された気分になったこともあるようです。

例えば、

  • 友達や兄弟と比較されて応援された時に自分は自分だと思って悔しくなった
  • 優しさでも「嫌ならやめろ」と言われた。簡単に諦めろと言われて自分の目標をバカにされた気がした
  • やればできる子と言われて、あー、やらないとダメな子なんだな…と落ち込んだ

などの意見がありました。

子どもたちは、親自身が気づいていない心の裏側に敏感です。もちろん親が自分を応援したい気持ちで発言していることはわかっています。それでも傷ついたり落ち込んだり、嬉しく感じない言葉があると言います。

どうやら否定メッセージにならないためのポイントは、何かと比較するのではなく、目の前の子どもの〝今″を認めてあげること、のようです。

「親はいつでも自分の味方だ」と実感できる言葉が子どもの心を強くする

親からの言葉は、子どもが困難にぶつかったり落ち込んだ時にこそ、よかれ悪かれ大きな力を発揮するということをインタビューを通して実感しました。だからこそ、プラスの言葉は子どもの心を強くし、次へのステップを後押ししてくれるんだなと感じます。

あなたは子どもが困っている時、応援が必要な時、どんな言葉がけをしているでしょうか。

もし気になった時は、少しふり返って書き出してみましょう。思うよりステキな言葉がけをしていることもたくさんあるはずです。

ぜひ、前向きで肯定的な言葉をひとつずつ増やしながら、「いつでもあなたの味方だよ」と子どもに伝える〝自分語録″をストックしていってください。

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この記事を書いた人

黒田ゆき保のアバター 黒田ゆき保 ママトコネットライター/キッズコーチング®トレーナー

全ての子どもに『自分らしく生きる力』を。新しい一歩を安心して踏み出せる『心の居場所』を提供。不登校児や特別支援児のサポート、自然体験・野外体験活動指導者として、様々な組織のキャンプの企画に参画。 青少年育成ボランティアの養成にも力を入れ、延べ1万人以上の子どもたちと関わる。

外遊びと絵本、工作と文房具好き。

キャンプディレクター1級/ comfortable place 代表。1児の母。

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