ふっと見ると、笑顔で椅子の上に立って喜んでいる子どもの姿が!
そんなヒヤッとした経験はありませんか?
慌てて椅子から降ろそうとすると泣いて大暴れ。どう対応するのが良いのかと悩んでいるお母さんもいらっしゃるかもしれません。
今回はそんな時の対応についてのお話しです。
“登る”は“歩く”の次に獲得する身体能力。成長に必要なステップ
1歳頃から歩きはじめる子が増え、身体の成長と共に、登る・しゃがむ・跳ぶなどと、できることも増えていきます。机や椅子に登ろうとするということは、身体の発達が“登る”能力を習得しようとしているということ。1歳の子が歩けるようになった後に高いところに登ろうとするのは、実はとても自然なことなのです。
とは言えこの時期の登る動作は、そばで見ていても危なっかしいもの。止めさせたくなる気持ちも痛いほどわかります。ですが安全に配慮した上で思いっきり登らせてあげることで、次の成長のステップにスムーズに移行していくのです。
そこで今回は、子どもの登りたいという欲求に、上手に付き合う方法をご紹介します。
同じ降ろす動作でも声掛け1つで 泣き顔→笑顔 に変わる!
1歳を過ぎた頃から、椅子を見つけては吸い寄せられるように寄っていき、よじ登るようになった息子。
私が見守っていられるときはそのまま様子を見るものの、時間や気持ちの余裕がなかったり、上の子たちに手がかかったりして、抱えて降ろすこともよくあります。
そんなとき「だめ!」と言いながら降ろすと、泣きながら身体をよじって抵抗するのですが「登れたね~!」と言いながら降ろしてあげると、体をばたつかせて大喜びで降りてくれます。
ちょっと不思議に思われるかもしれませんが、これにははっきりとした理由があります。どんなに小さな子どもでも、人間には自由の欲求が備わっているのです。だから「ダメ!」と禁止されると抵抗したくなるのですが、それまでの成果を認めてもらうと、素直に聞き入れることができるのです。
1歳は身体をしっかり育てる時期。お行儀やマナーはその後でいい
「小さい頃からマナーを教えていかないと、大きくなってもできないんじゃないか」そんな不安があったのですが、みなさんはどうでしょうか。
実は5歳頃に共感脳といって他人の気持ちを想像する力が育ちます。このタイミングに親子でマナーについて考えることで、自分で考えて思いやりのある行動がとれるようになっていきます。
ですので、1歳で焦って厳しく叱ったりする必要はありません。言葉の理解が増えてきたら、少しずつ言って聞かせるので大丈夫です。その時すぐにできるようにはなりませんが、その蓄積が5歳くらいで行動となって現れます。
椅子でも階段でも遊具でもどこでもOK。登って良い所へGO!
登ることは成長に大切な事。とは言え、他人の迷惑になる場合や、見守っていても危険な場合など、やはり止めさせるべきときもあるかと思います。
そんなときは「危ないね。あっちで登ろうね」などと声を掛けつつ、椅子でも階段でも遊具でも、どこでもいいので登って良いところに連れて行ってあげてください。
そしてぜひそこで気の済むまで登らせてあげましょう。思いっきり登れると、思いのほかあっさり満足し、次の遊びに移っていきます。
1歳のこの時期にしっかりと“登る”ことを習得することが、次の動作(走る・しゃがむ・跳ぶなど)のスムーズな獲得にもつながります。安全に配慮したら、あとは思いっきり登らせてあげてくださいね。