肌寒くなってきたかと思うと、暑いくらいの日もあったり、
子どもに何を着せるか毎朝迷ってしまう季節ですね。
実は10月は、子どもに‟責任と自立”を教えるのに絶好の時期なんですよ♪
身の回りの小さなことから始めよう。自分で考え、選び、決める習慣
‟今日は長袖1枚でOK?それとも薄手の上着を着せた方が無難かな?”子どもの服装に毎朝頭を悩ませるのは、季節の変わり目ならではのママの日常風景かもしれません。
ですがその行為、そのまま丸ごと子どもに託してみませんか?肌感覚から未来のことに考えを馳せ、何をすべきかを選び、自分のことを自分で決める毎日の習慣こそ、子どもの【非認知能力】、つまり【生き抜く力】に繋がるのです。普段の些細な過ごし方に、子どもの芽を伸ばすチャンスはゴロゴロ転がっているんですよ。
まずは、今日の服装は子どもに決めてもらいましょう!
子どもは失敗を経験して‟責任、自立”を知っていく
‟そうは言っても、うっかり選択を間違えて薄着のまま寒い思いをしたら可哀想!”そうお思いになったママも多いことでしょう。
いえいえ、むしろその失敗こそが子どもを育てる宝に変わるのです。自分の考えが甘かったことを知った子どもは、必ず翌日はより思慮深い子に変わっているでしょう。選択が安易だったことを実体験で痛感した子どもは、より観察力の高い子に変わっているでしょう。自分の行動は自分の責任。全てを引きうけることは自立の一歩です。
指示されたまま行動して事なきを得る日々より、失敗から自己分析し、検証し、考えを深めていく日々こそが、子どもの成長をぐんと底上げするに決まっています。わが子を思う親にとってその時には苦渋の選択だったとしても、長い目で見れば子どもにとって生きるための揺るぎない力となる。そう思えば、あえて口出しせず子どもに託す勇気も出てきませんか?
寒ければどうする?問題解決能力も育ちます
わが家の三男も、秋も深まり肌寒い日だというのに半袖一枚で外に飛び出していくようなタイプ。かつては後ろから追いかけ、嫌がる本人を羽交い絞めにせんばかりの勢いで上着を着せていました。「寒くないよ!」と嫌がる息子に、「どう考えても寒いでしょう!!」と反論し半ば強制的に服を着せる、私はそんなママでした。ところがそんなふうに手をかけてやった日には必ず、彼は上着を公園や学校に忘れてくるのです。つまり、良かれと思って持たせても、結局彼は外出先では脱いでしまっているということ。
その秋、彼が3枚目の上着をなくした日についに私は決心しました。息子の服装に関して何も干渉しないという決断です。寒かろうともう知らない!という半ば怒りの感情に任せた決意が、その後彼の問題解決能力まで育てるきっかけになろうとはその時思ってもいませんでした。
冬の到来さえ感じさせるその日、例によって半袖一枚で出かけた息子。学校ではあまりの寒さのためにやはり耐えきれなかったようです。どうしようかと考え、結果体操服を下に重ね、さらに家庭科で使うためにちょうど持参していた大きめの布を肩から羽織り一日過ごしていたというのです。苦肉の策ですね。
するとまわりの友達が心配して、あちらからもこちらからも上着を貸してあげるという声が降りそそいできたとのこと。「俺、人気者だったわ!」帰宅して開口一番、誇らしげに語る息子の顔を見て思わず笑ってしまいました。休み時間には体を温めるためにみんなでいつも以上に走りまわって、なんとも楽しい一日だったようなのです。
自分の責任で選んだことがうまくいかなければ、その場で問題解決策を考え、周りから手を差しのべてもらう幸せも知り、仲間たちと一緒にむしろ楽しみに変えてしまう。そんな経験は私が過保護、過干渉にしているうちはきっと得られなかったことでしょう。
ひとまわり成長した息子の顔は、満面の笑顔で満たされていました。私の手から彼が少し離れ、自立できた瞬間でした。
服装を自分で決める習慣が、人生の舵取りをする逞しい力に繋がる
日常で出会うこんな小さな‟責任と自立”の経験が積みかさなって、子どもは確実に成長していけるのです。失敗を経験した数だけ問題解決能力も育っていると思えば、服装を自分で決める習慣から始めることの意義がお分かり頂けるでしょう。
大袈裟に思えるかもしれませんが、いつかそれが人生の舵取りをし、進路を決断し、大海原を自らエンジン全開で進んでいく力にまで繋がっていくことは間違いありません。
小さな積みかさねを経験しながら、子どもたちが自立していける10月になりますように。