自分の言動には気をつけていても、子どもは無邪気に「あの人何で頭ツルツルなの?」と咄嗟に口を塞ぎたくなるような発言をしますね。
無邪気なのはわかるけれど、親としては冷や汗もの…私も3人の子育て中何度も冷や汗をかいた経験があります。
私の経験が冷や汗族のみなさまのお役にたてると嬉しいです。
失言は持ち帰らせる約束をすると、その場で言わなくなる
「なんで、あの人頭がツルツルなの?」と、ちょっと強面なお兄さんを指さしながら言われた日には、冷や汗が背中をつたいますね。
そもそも幼児の場合、これらの言葉は悪意があって言っているわけではありません。大人と違い圧倒的に経験値が低い幼児は、初めて見るもの出会うものが多く、不思議でたまらないのです。
だから、こんなときはあらかじめ不思議に思ったことや疑問はお持ち帰りすることを約束しておきましょう。「なんで?と思ったときは、お家に帰ってきてから質問してね。」や「不思議だな~って思ったときは、ママの耳元に小さな声で聞いてくれる?車に戻ってからお話するね。」とその子が待てそうなタイミングを設定しておくとよいでしょう。
心の発達段階を理解しておくと子どもの失言に寛容になれる
3カ月で首が座って、5カ月で寝返りをして…といったように体には発達段階があります。同じように心にも発達段階があるのです。
4歳くらいになると、先のことを考えられる予測脳が発達します。この時期になると徐々に約束ができるようになるので、出かける前にあらかじめ疑問や不思議は持ち帰るよう約束をしておきましょう。
そして、5歳になってようやく相手の気持ちを推し量ることができ“思いやりの心”を持てるようになると言われています。5歳以下の年齢では「言われた相手の気持ちを考えようね」と言われてもピンときません。
このように、体のみならず心の発達段階を知っておくと子どもに「ダメ!」と言いすぎずに済みます。ダメと言われすぎずに育った子は、好奇心によって何かに興味を持てば、どんどんアイディアを出し、ワクワクしたパワフルな子に育ちます。
失言は持ち帰ってお話すると、好奇心が育つ
現在5歳の末っ子とは、不思議や疑問はお持ち帰りするように約束しています。とはいえ、失礼なことを言いそうになるときもあるので、そんなときは「不思議だな~って思ったときはどうするんだっけ?」と声をかけると「あ、そうだった!」とお口にチャック。
持ち帰った後は、まずはそのことを認めてあげ、必ず話を聞くようにしました。不思議や疑問を解決できないようなことでも、とりあえず話して吐き出す場があることで、その場でしつこく聞いてくることはなくなりました。
最近では「ピンクは女の子の色なのに、おじさんが着ていたよ、だめよね?」と質問してきた末っ子。すかさず、次男が「どんな人でもピンクは着てもいいんだよ。男だから、女だからって着る色を決めるのはもうおかしなことなんだ。」と小学校の道徳で学んだことを伝えてくれました。これも末っ子が疑問を持ち帰ってくれたからこその時間。そこから話題が多方面に広がることも多く、子どもたちの好奇心を刺激してくれていると感じます。
失敗は宝、失言はコミュニケーションを学ぶ機会
もちろん、約束していてもうまくいかない日もあります。目に余るような失言があった場合には、その場で親が指摘して一緒に謝罪することが必要なこともあるでしょう。
大人になってからの失言は取り返しのつかないこともあるので、つい親としては防ぎたくなるもの。しかし、子どもの失言は「子どもの言うことだから」で許されることも多いのです。ぜひ、この時期にたくさんの経験から学びを得させ、コミュニケーションの基盤を固めていきましょう。