Bom dia! 主人の転勤でブラジル在住となりました。二人の子どもは現地のバイリンガル校に通っています。そこで見つけたユニークな先生の関わり方や学校の仕組みをご紹介します。
①先生がくしゃみをしたら姿勢を正す
小学3年生の娘のクラスでのルールです。先生が「クシュン!」とくしゃみをすると、クラスのみんなが一斉に背筋を伸ばして姿勢を正します。
初めはきちんと座っていても、話を聞いたりノートを書いたりしているうちに、段々と姿勢が崩れてくることはありますよね。その度に先生が説明をとめて「はい!姿勢を正して!」などと言うことはないそうです。
その代わりに「クシュン!」とくしゃみを一つ。これがきっかけ(トリガー)になって姿勢を正すのです。話の腰も折れないし、言われる側も「叱られた、指摘された」というネガティブな感情が残りません。
トリガーに因果関係は必要ありません。ゲーム感覚で姿勢を正すことができる面白いアイデアですね。
②お片づけの時間は音楽でお知らせ
こちらは幼稚園、年中クラスで使われているアイデアです。
自由遊びの時間が終わり、絵本の時間がきました。そのとき先生は「片づけて」「おしまいです」とは言いません。
ただ決まった音楽をかけます。子どもたちはその音楽が聞こえると、それまで遊んでいたおもちゃを片づけ始めます。曲には終わりがあるので、その曲が終わるまでに片づけようと一生懸命です。
自分のおもちゃを片づけ終わったときに、お友達がまだ片づけを終えていない場合は、手伝いに行きます。クラス全体で曲が終わるまでにお片づけを終えて絵本を読んでもらう席に着くように協力します。
4歳の息子は、まだポルトガル語も英語もほとんどわかっていません。それでも曲がかかるとみんなと一緒にお片づけをしていました。言葉での指示しかない場合、英語を覚えるまでは苦労するかなと心配していましたが、この方法ならまだ言葉のわからない息子でもみんなと同じように行動できるので、その点でも大変助かっています。
③制服の種類が豊富で自由にコーディネートできる
ブラジルで子どもたちが通っている学校は制服があります。しかし、やはり日本の制服のイメージとは大きく違いました。
あくまでうちが通っている学校の場合、ですが、種類がとにかく多いんです。
学校のイメージカラーを使っていて、学校のマークが入っている、というのは全てのデザインに共通しています。その上で、Tシャツ、ポロシャツ、ノースリーブ、ワンピース、キュロットスカート、ショートパンツ、ハーフパンツ、長ズボン(スリム)、長ズボン(ジャージ)、パーカー、ウィンドブレーカーなどなど、ブティックにでもきたのかと思うほどの品揃えです。
みんな自分の気に入ったものを着ています。それでも、イメージカラーとマークが統一されているせいか、同じ学校の生徒だということは一目瞭然なのが面白いです。
制服というと、中学時代の抜き打ちチェックが思い出されます。校則で決められた着方をしていないと、注意を受けました。スカートの丈は短すぎないか、袖のボタンを止めているかどうか、リボンの結び目が大きすぎないかといった細かいところまで注意されたものです。
今思うと、ガチガチに決められた制服の中で個性を表現しようと思うから「違反」につながるのですね。初めから制服を選べたり、幅があって個性を表現できれば、わざわざ違反をする必要もないのかもしれません。
大人が口を出さない環境設定が自主性を育んでいるのかも
子どもたちが新しい学校に通い始めて2週間。印象的だった場面を3つ挙げてみました。どれも共通しているのが、先生が生徒に対して指示や叱責をする必要がない仕組みになっているということです。
「こうしなさい」「こうしてはいけません」という指示や叱責を受け続けると、子どもたちは自分で考えることをやめてしまいます。「先生に怒られるからちゃんとしよう」「怒られるからやめておこう」という考えになり、なんのためにそうするべきなのか、という本質を考える機会を逸してしまいます。
自主性を育てる第一歩は、大人が細かな指示を出さなくて良い環境を整えることなのかもしれません。そう考えると家庭でも取り入れられることがありそうですね。
試しにうちでは①のまねをしてみようと思います。テレビを見ているとき、段々と画面に近づいてしまう癖が気になるので、“パチンと手を叩くと後ろにさがる”というルールにして取り入れてみようかな。うまくいったかどうか、結果はまたの機会に。