子どもの気持ちを受け止める、行き渋りの特効薬

ちひろ/ライター

新年度がスタートしましたね。期待と不安を胸に、毎日親子で頑張ってらっしゃるのではないかと想像しています。とくにこの春入園入学をしたという方は、園や学校で覚えることも多く、慌ただしく日々が過ぎていっていきますね。

そんなときは大人も子どもも疲れるもの。中には疲れて弱音を吐く子もいます。その場合、どう対応すればよいのでしょうか。

本日は、現役保育士でもありリアルタイムで3人の子育てをしている私が、ポイントだと思うことをシェアします。

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「行きたくない」はSOSだけじゃない。親子の信頼が築けている証拠

もしもお子さんが「学校(園)に行きたくない」と言ったらどうしますか?

文科省の「2021年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小中学校の不登校児童生徒数が24万4940人と過去最高となったそうです。9年連続で不登校児童・生徒が増えています。

短期間の登校しぶりを含めると、もっと多くの子どもが「学校に行きたくない」という気持ちを抱えていることでしょう。そう、明日わが子が言い出す可能性だってあるのです。

子どもに「学校に行きたくない」と言われたら、親である私たちはどうしたらいいでしょう?

自分の子が登校拒否…?と混乱したり、慌てたりするかもしれません。

でも見方を変えれば、子どもからの信頼の証とも取れます。お母さんはわかってくれる、という確信があるからこそ「学校に行きたくない」と正直に打ちあけてくれたのです。

親子の信頼関係がしっかり育っていることに、まずは自信を持ってください。

理屈で問い詰めるのは逆効果、話しやすい聞き方を心がけよう

子どもから学校に行きたくないと言われたとき、多くの方が「なぜ?」「どうして?」と聞きたくなると思います。私もキッズコーチングで学ぶ前はそうでした。原因がわからなければ、解決策が見いだせないと考えていたからです。

けれど、子どもは感情で生きている生き物。特に低学年のうちは、自分でもはっきりとした理由を言語化できないことも多いものです。それにいきなり理屈で問い詰めると追い詰められたように感じられ、本当の気持ちを言ってくれなくなる可能性もあるのです。

まずは気持ちを受け止め、「どういう感じなの?」や「話せるところから話してみて」と本人の話しやすい聞き方を心がけましょう。

親は解決しなくてもいい、答えは子どもの中にある!

わが家の長男も登校渋りを起こしたことがあります。転校してすぐのことでした。

私は息子の状況に配慮して「行きたくないんだったら、行かなくてもいいよ」と言って休ませました。

正直に言いましょう。このとき、私は自分のことを子どもの気持ちをちゃんと聞いてあげた、我ながら良いママだと思っていました。

でも、しばらく経ってから長男に言われてしまいました。「あのときのママは全然僕の気持ちをわかってくれていなかった。本当は休みたいわけじゃなかった」と。

振り返ってみると、私は全然息子の本当の気持ちを聴いておらず、彼が本当に言いたいことを言う前に私がどうするかを判断してしまったのです。子どもの「行きたくない」を言葉通りに受け止めてしまい、その裏に彼の本当の気持ちがあることに気付いていなかったなあ、と今は思います。

それからは子どもが弱音を吐いたときは気持ちを受け止め、思っていることを引き出すような聴き方を心がけ、最終的な行動決定は子どもにゆだねるようにしています。

子どもなんだから親が決めてあげないとという思い込みが私の中にあったのですが、子どもは子どもなりに自分の中に答えを持っているのだと気づかせてくれた出来事でした。

ちひろ/ライター

ちなみに、この春中学生になる息子の母への評価は「今は、まぁまぁ聴いてくれる。」だそうです(笑)

親も子も我慢をしない!違う価値観を受け止め合うことでしなやかな心を育てる

子どもが「学校に行きたくない」というと親はそれが本当の気持ちだと思ってしまいます。でも覚えておいてほしいのがそうではない場合もあるということです。

とくに園児や小学校低学年の子どもは語彙が少なく、なんとなくいやだという気持ちを伝えるのにちょうど良かっただけということもあります。

真面目でがんばり屋なママほど「どうにかしなくっちゃ!」と解決したくなるかもしれませんが、ひとつ深呼吸をしてまずは子どもの気持ちを受け止めてあげてください。

受け止めているよ、と示す簡単な方法が“おうむ返し”です。

子どもの「行きたくない」に対して「そう、行きたくないのね」と同じ言葉を繰り返すだけ。

おうむ返しで受け止めるだけで、ママは自分の気持ちを聞いてくれる、わかってくれる”と感じられ“私は認めてもらえている、大事にされている、愛されている”という気持ちに繋がります。そこまでくれば、親の感じ方や考え方を伝えても私はいいと思います。

子どもの気持ちも聴き、親の気持ちも伝える。どちらかが無理したり我慢したりすることなく、たとえ違う価値観でも受け止め合っていく。そんな日々のプロセスを大切にしていけば、きっとこの先どんなことがあってもそのしなやかな心で乗り越えていけるはずです。

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この記事を書いた人

亀山千裕のアバター 亀山千裕 ままとこネットライター/キッズコーチング®マスタアドバイザー

小4、小1、3歳の子を育てる転勤族妻。
日々、家族を家事に巻き込む方法を探究し、最高のチームに育てるため奮闘中。プレッシャーを勝手に背負った教育ママが、わが子の「ママの子をやめたい」という言葉に目が覚める。現在は楽しい子育てを実践してもらうべく精力的に活動中。

趣味はファミリーキャンプ。オシャレなキャンプレイアウト研究中。

元養護教諭(保健室の先生)/ライフオーガナイザー®

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