子どもトラブルが不安なママの心を軽くする合言葉は“もめごとはこやし”

ちひろ/ライター

子どものトラブルと聞くとまっさきにあがるのがけんか。わが子の友人関係は、親にとって一番気になるものですね。

実は子どものけんかは、コミュニケーション能力を伸ばすのにうってつけと言われています。本日はそのことについてお伝えします。けんかに悩むママの心が、少しでも軽くなりますように♪

目次

けんかは子どものコミュニケーション能力を育てる機会

多くのママが子どもにつけさせたいと願うコミュニケーション能力。人との関係性を築く能力とも言えます。具体的には次の3つの力を指すと言われています。

  • 自分の感情を表現できる
  • 自分の意見が言える
  • 人の意見を効き、受け止めることができる

子どもはけんかを解決する経験を何度も積んでこのコミュニケーション能力を身につけていきます。

とはいえ、実際に目の前でトラブルが起こり、子どもが泣いたり、お友達に手を出したりすると平静ではいられなくなることもありますね。

特に心配性のママたちは、早い段階で子どもたちの問題に入っていく傾向があると言われています。それが、わが子を思うがゆえなのですが、そうなると子どもたちはどう対応したらいいのかを経験できず、解決法がわからずじまい。何度も同じことを繰り返してしまうようになります。

子どもが自分で解決できるように見守ることで、コミュニケーション能力や問題解決力が伸びていきます。

けんかを見かけたら無闇に止めるのではなく、子どもの気持ちは受け止めて行動は正してあげましょう。

子どもがすぐに泣き喚いてしまう理由とその仕組み

自分の気持ちは目に見えませんね。だから、どんな気持ちなのかを口に出すまでは本人も実ははっきりとはわかっていないと言われています。けんかのとき相手にカッとなった感覚を「腹が立った」と口に出すことで、脳が“怒り”だという感情だと認識するプロセスを辿っているのです。

子どもは体験がまだ少ないため、カッとなった感覚を適切に外に出す方法を知りません。そのため、大声をだす、手を出す、モノを投げるなど体を使って表現します。

このことを問題行動だと思って「やめなさい!」と言ってしまうと子どもの本当の気持ちは置き去りになってしまいます。

そこで「〇〇君は怒っているんだね」と感覚にピッタリくる言葉を返してあげると、その感覚は“怒っている”ということなんだと子どもは徐々に理解できるようになると同時に、自分の気持ちが分かってもらえた、と落ち着くことができます。そうすることで、そのあとに続く親からのアドバイスにも耳を傾けやすくなるのです。

感情に名前があることを教えると、子どものコミュニケーションが育つ

「怒っているんだね」「悲しいのね」など、子どもの感情を言葉にしてあげると、次のような効果があります。

1:自分の感情を表現できるようになる

名前がつく前の負の感情は、子どもにとって「なんだかよく分からないけれど、とってもイヤだ」という状態です。親が「怒っているのね」「悲しいのね」と伝えることで「自分は怒っているんだ」「自分は悲しいのだ」と理解でき、言葉で表現できるようになります。

2:自分の意見が言えるようになる

感情の名前を知って言葉で表現できるようになると、そこに会話が生まれます。どうしてそう思ったか、本当はどうだったらよかったのかなど、怒っている理由も少しずつ説明できるようになり、自分の意見を言う練習ができます。

3:人の意見を聞き、受けとめることができる

人の意見を受けとめるには、まず自分の気持ちが受けとめられている実感が必要です。お母さんが「怒っているのね」と声に出してくれることで、自分の気持ちがお母さんに伝わり、ちゃんと受けとめてくれたという安心感を得ることができます。安心すると感情も落ち着くので、人の意見を聞いて受け止められるようになります。

けんかは心の成長に不可欠な栄養。止めずに見守る姿勢が大切

キッズコーチングセッションでも、子どものけんかにまつわるご相談は多く寄せられます。

よくよくお話を伺っていると、ママ自身がけんかはしてはいけないものと思ってらっしゃることが伝わってきます。気持ちはわかるような気がします。私も子どもの頃、けんかをするたびに親や先生に「やめなさい!」と言われていたので、けんかと聞くと悪いことをしているような気持ちになります。

しかし、考えてみれば子ども同士、考え方や意見の相違があるのはあたりまえ。言いたいことを言い合ってけんかをしても、数日経てば仲直りしています。

そうやってトラブルを繰り返して、子どもは人間関係を学んでいくと捉えられたとき“けんかは子どもの成長に必要なもの”と大らかに受け止められるようになりました。

上手にけんかを見守るコツ:けんかにはルールを設けよう

けんかは子どもの成長に必要なものとはいえ、相手に大けがをさせたり、一方的に心を傷つけたりすることは考えもの。それを避けるために、してはけないことは、ダメ!」と先にしっかり提示することも重要だと私は考えています。

ちなみにわが家では、片方が泣いたら終わり、ケガに繋がりそうだったら終わり、仲直りしてから終わるなどのルールを設けています。

長い間けんかは悪いことと思っていた私にとって、最初はけんかを見守ることは容易ではありませんでした。しかし、成長に必要なことと捉えることができ、許せる範囲のルールを提示することで、早い段階でけんかを止めることはなくなりました。その結果、子どもたちも自分たちでけんかを解消できることが多くなり、私は格段に気持ちが楽に!!

“もめごとはこやし”という言葉があるように、幼児期にたくさんけんかをして仲直りする経験こそが、子どもを成長させます。子どもの成長を一緒に見守っていきませんか?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

亀山千裕のアバター 亀山千裕 ままとこネットライター/キッズコーチング®マスタアドバイザー

小4、小1、3歳の子を育てる転勤族妻。
日々、家族を家事に巻き込む方法を探究し、最高のチームに育てるため奮闘中。プレッシャーを勝手に背負った教育ママが、わが子の「ママの子をやめたい」という言葉に目が覚める。現在は楽しい子育てを実践してもらうべく精力的に活動中。

趣味はファミリーキャンプ。オシャレなキャンプレイアウト研究中。

元養護教諭(保健室の先生)/ライフオーガナイザー®

目次