褒めてるつもりの言葉が、実は子どもを評価している?
皆さんは、子育ての中で「すごいね」「チームで一番上手にできていたよ」という褒め言葉を使うことはありますか?
〇〇の中で一番〇〇だった、すごかった、などの言葉は、比べる相手があって初めて出る言葉。つまりこれらは褒め言葉ではなく、誰かと比べてどうだ、という親からの評価の言葉です。
同じ褒めるなら、誰かと比べるのではなく「〇〇を頑張ってすごかった」「今までで一番うまくできていたよ」と、本人の成長に目を向け、成長した過程を具体的に褒めましょう。
評価の言葉は優劣をつける=双方にストレスがかかる
例えばよくあるこんな褒め言葉。
「お片付けをしてさすがお兄ちゃん、すごい!とてもえらいよ!」
この言葉には、人と比べる言葉が3つも入っています。これらの言葉が子どもに与える印象は、こんな感じです。
・さすがお兄ちゃん=年上だからできるよね
・すごい!=すごいことをしないと褒められない
・えらい!=褒められるにはえらい自分でいないといけない
すごいね、えらいね、さすがだね、という言葉は、褒めているようで実は褒めておらず、単に子どもを評価している言葉です。
えらいね、と言われた場合、本人がプレッシャーを感じるだけではなく、それを見ている周りの子は、自分はすごくない、えらくない、と優劣をつけられたような印象を受けます。
クラスやチーム内での評価の言葉でさえ、優劣をつけられたと感じてストレスを抱えるのです。
兄弟間で、評価をするのがお母さんであればなおさらでしょう。
では兄弟それぞれに同じように評価していれば良いのでは?と思うかもしれませんね。ですがそれが評価である限り、平等にストレスを与えている可能性があります。
ぜひ評価の言葉をやめて、子ども自身の成長を具体的に認める言葉に変えてみましょう。こうすることで、兄弟全員が認め合える関係になれます。
我が家の例:評価の言葉と認める言葉では、子どもの反応がまるで違う!
わが家は5歳差育児。下が1年生、上が6年生。どうしても上の子の方が難しいことを言ってきます。
算数も、理科も、やってみたいことも、年齢が離れているので当たり前なのですが、上の子の方が上手にできます。
それを「すごい!」「さすがだね」という言葉を使ってほめると、隣で聞いている下の子が「どうせ私はわからない」と言い出します。
「6年生になるとそんなことが分かるんだね」「毎日宿題頑張っているね!」という声かけをすると、下の子は「私もできるようになるかな?」と言います。自分が6年生になった時をイメージできるのでしょう。
上の子も、成長を褒められた方が嬉しそうですし、妹にも「きっとできるようになるよ!」と言ってくれます。また妹が何かをできるようになったときに「できるようになったね」と声をかけてくれます。
兄弟げんかがあまり起こらないのはもちろん歳の差は大きいと思いますが、認め合える声かけを意識していることも一役買っているのは間違いありません。
評価する言葉は卒業!思う存分褒めて認める子育てを楽しもう!
「すごい、かっこいい」と言いたい瞬間は子育ての中ではたくさん起こります。心からの「すごい!」を伝えるときは、ぜひ、具体的に何がどのようにすごかったのかを伝えてください。「すごい!逆上がりできた!毎日練習したもんね!」という感じです。
ポイントは、誰かと比べるのではなく、必ず本人の努力や成長を認めて伝えること。過去の自分より進歩していると感じられるように伝えるのが大切です。
兄弟、ひいては家族が共に成長できる関係にするためには、日頃からお母さんが兄弟それぞれに認める声かけをすることが大切です。兄弟、そして家族が協力関係になれると家族が一つのチームとなります。
家族というチームが子どもにとって最大の安心安全の場所になるように評価の声かけを認める声かけに変えていきましょう。