英語圏ではない国に長く住んでいると、気になることがあるんです。それはこの時期になるとみんなが書くサンタさんへのお手紙。みなさんは何語で書いていますか?
サンタさんへお手紙を書こう。さあ、何語で書く?
日本は寒さが厳しくなってきた頃でしょうか。わたしは初めてブラジルで灼熱のクリスマスを迎えるのを楽しみにしています。
ここブラジルでも、ショッピングモールは大きなクリスマスツリーやイルミネーションで飾られています。ツリーには雪のデコレーションもあって、「雪降らへんがな!」と思わずツッコミを入れたくなります。
みなさんのご家庭では、サンタさんに手紙を書いていますか?ひらがなを書けるようになった頃の、たどたどしいお手紙もかわいいですね。
最近では英語教室が「サンタさんに英語で手紙を書こう!」とキャンペーンを打っているのを見かけます。でも、サンタさんって英語で通じるのでしょうか?
思いやりとは、相手に好奇心を持つことから始まる
子ども同士の遊びの中で、お手紙やプレゼントを渡す遊びが流行るのが5歳ごろです。まだひらがなが書けない子も多いので、絵を描いて交換することもありますね。
初めは自分の得意な絵や好きなものの絵を描いて渡しているのですが、段々と相手の好きなものを描いてプレゼントするようになります。それが思いやりの心の始まりです。
「何をあげたら喜んでくれるかな?」と考えてみると、相手のことが知りたくなりますね。お弁当箱はどんなキャラクターだろう。上靴入れがピンクだからピンクが好きなのかな?
そんなふうに相手に興味を持つことが、相手への配慮、つまり思いやりにつながっていくのです。
お母さんの知識を教えるのではなく、気になったことを一緒に調べよう
そんなふうに自分以外の人に好奇心を抱く様子が見られたら、サンタさんへのお手紙を書くときにこんな質問をしてみましょう。
「サンタさんはひらが読めると思う?」
「サンタさんはどこに住んでるの?」
「サンタさんが住んでいる国はどんな言葉を使っているのかな?」
そう、冒頭でわたしが言いたかったことはここなんです。サンタさんは英語圏在住ではないのです!
- サンタクロースはフィンランドにいます
- フィンランドという国名は英語からきています
- 現地では自国のことをスオミと言います
- スオミ語は実は少し日本語と似ています
と雑学を並べ立ててみましたが、こんなこと、初めて聞いた!という方もいるかも知れません。
大事なのは「知っている」ことではなく、一つの興味をきっかけに「もっと知りたい!」と興味の幅を広げ、行動に移すこと。知らないことは調べていけばいいのです。
むしろお母さんが知らない方が、お子さんと一緒に調べられるから楽しめそうですね。
好奇心から得た知識が思いやりの心の土台になる
好奇心を刺激すると、自ら学習する子になるというのはこのコラムでも何度もお伝えしてきています。今回は、好奇心が学習意欲だけでなく、思いやりにも繋がっている点についてご紹介しました。
転んだ経験のある子は、お友達が転んだときに優しい声をかけてあげられます。それは自分の経験から、お友達の気持ちが想像できるからです。しかし、思いやりの心はいろんな場面で必要です。
怪我をした鳥さんの気持ちは?災害にあった人は何に困っている?のように、社会では、実際に経験しにくいことに対しても想像力を働かせることが欠かせません。
テレビのニュースなどをきっかけに「〇〇ってどうなんだろう?」お子さんに問いかけてみてください。
興味を持ち、それを調べてみるという習慣がついていれば、実際に経験したことだけにとどまらず、いろんな人の立場や思いを思いやる気持ちが育まれるでしょう。