目標に向かって今何をすべきかに着目できる能力
将来この子はどんな大人になるのだろうと思いを馳せることは、親なら誰しも経験することでしょう。子ども自身が「○○になりたい!大人になったらこんなことをしてみたい!こんな大人になりたい!」と口に出すこともあるかもしれません。
それがただの憧れや夢ではなく、具体的な目標となってリアルに考えられるようになるのは10歳頃なんです。長期的な視野で物事を見据え、そのために今何をすべきかということにフォーカスできるようになる時期です。
10歳は自分を律しコツコツ努力することができるようになる時期
10歳前後という年齢は発達心理学上、未来のために“自分を律する”ことができるようになる時期です。
それまでの間は、自分の好奇心の赴くままにいろんなことを試し、没頭し、大人に頼らず自分でどんどん世界を切り開いていったりする時期にあたります。そこまでの経験を充分に踏んだ後でようやく育つのが自制心。欲求の赴くままに行動するのではなく、この目標のために今はこれを我慢しよう、と自分で考えコツコツ努力することができるようになるのです。
これは未来の夢といった大きなシチュエーションだけに当てはまることではありません。例えば、3時に家を出るからその15分前には着替えを終わらせておこうといった小さな計画や、公園でみんなと遊ぶ約束をしたからその前に宿題を終わらせてしまおうといった意志決定にも関わる力です。
自主的な目標設定:我が家の次男の場合
我が家の次男の夢はサッカー選手。それまでお友だちと公園でサッカーをする時間を楽しみ、所属するチームでの練習に打ち込んでいた彼が「サッカーノート」なるものを自発的に作り始めたのが10歳になった頃。プロになるにはどんな練習が有効なのか、今の自分にはどんな力がより必要なのかを具体的に調べ、ノートにまとめ始めました。その日練習した内容を記録することから始まり、昨日と比べて何ができるようになったか、来月達成したい目標は何かということをせっせと書くのです。
記録することでますます自分自身に対する検証が深まり、新たな目標が明確になっていくようでした。雨が降って外で練習できない日は室内でできる筋力トレーニングにメニューを変えたり、プロ選手の試合や解説動画を見て勉強したりする毎日。たまに怠け心が出てサボりたくなっても、自分自身と相談して納得できる練習はこなし、一歩でも前に進む。誰に強制されたのでもなく、彼が夢を具体的に描き主体的に努力し始めた転機でもありました。
それから2年経った今でも、次男はその目標に向かって形や方法をアップデートさせながら突き進んでいます。
“どんな大人になりたいか”を親子の話題にしてみよう
将来何になるかという目標でなくても、どんな大人になりたいかという目標でもいいのです。むしろ、今ある仕事の大部分がAIに取って替わられ消滅すると言われている時代ですから、今目指す職業が未来にも存在しているとは限りません。
子どもが10歳前後になったら、どんな大人になってどんなことをしたいかを親子で話し合ってみて下さい。そのために今何ができるかを子ども自身が考え始めるきっかけになるかもしれません。自律期と呼ばれるこの時期に、是非具体的な目標に向かって計画を立て一歩ずつ前進する経験をさせてあげましょう。我が子が語る夢とそれに向かって努力する目の輝きに、意外と親の方が刺激を受けることの方が多かったりもしますよ。
子育てに忙しく追われる毎日ですが、
未来のことを想像してみるとなんだかワクワクしてきませんか?
夢を語る子どもの姿はキラキラしていて眩しいくらい。
私もそのエネルギーをもらっています♪