高い目標を叶えたい頑張り屋さんには、キッズコーチングメソッドの“スモールステップ法”を使ってみて下さい♪
文字通り、“小さな段階”に分けて自信を育ててあげる方法ですよ。
思い通りにいかずイライラしている子には、ゴールへの過程を細分化してあげよう
「完璧主義な息子で、自分の思うようにいかないとイライラして癇癪を起こしてしまう。泣きわめいて手が付けられないんです・・」先日3歳の男の子のママからそんなご相談を受けました。
理想が高く、頑張り屋のお子さんなのでしょう。自分の思い描いたイメージが確立していて、どうしてもその形に近づけたいという素晴らしい向上心の持ち主です!普段から色んなことに対して手を抜かず真面目に向き合っているタイプなのではないでしょうか。
そんなタイプのお子さんにはぜひ、小さな成功をたくさん経験させてあげることをお薦めします。ママは、子どもが目指しているゴールへのプロセスを小さく分解するお手伝いをしてあげて下さいね。
小さな成功体験が達成感と次への意欲に繋がります
私が子育てや生徒指導において常に心に置いている言葉に、次のようなものがあります。
「小さなことをこなすということは、その度に成功を重ねることだ」
スキナー教授(ハーバード大学やヒューストン大学で教鞭をとった心理学者)の言葉
成功は大きさではなく、数が大切なのです。なぜなら、小さな“できた!”を積み重ねることは、その成功の度に達成感を積み上げていくことを意味するから。あまりにも大きな理想を前にすると「とてもできっこない・・」と余裕がなくなり、焦燥感や諦めの気持ちだけが増大し、どうしてもその迫力に腰が引けてしまいます。大人も子どもも同じですね。
うまくいかず理想と現実のギャップに歯がゆい思いをしている子どもには、目標までの行動をなるべく簡単なステップに細分化して、ステップごとに達成感と次へのやる気を促してあげましょう。
ゴールまでのプロセス細分化の事例:3歳の男の子の場合
たとえば今回の3歳の男の子が毎朝癇癪を起こす原因となっているのは、“制服のシャツを自分で着る、その中でも特に自力でボタンを嵌める”ことだそう。ではそれを事例に具体的にプロセスを細分化してみましょう。
- 制服を広げる
- 左右の袖を確認する
- 片方の腕を通す
- シャツを背中側に回す
- もう片方の腕を通す
- 前に付いているボタンとボタンホールの組み合わせがそれぞれどれかを確認する
- 一番下のボタンをつまむ
- 一番下のボタンホールに差し込む
- 差し込んだボタンを逆側から引っぱり出す
- 下から二番目のボタンを持つ・・以下同様
大人にとっては日常的に流れ作業で行っている当たり前のことも、細かく分けると10個もあることが分かりました。些細に見えることも、実はたくさんの行程で成り立っているのです。初めて経験する子どもにとっていかに乗り越える壁が溢れている壮大な作業なのかが分かります。
それぞれに分けた小さなステップを意識できたら、次は子どもがそれをひとつずつ達成する度に「できたね!」と声をかけてあげましょう。
今回3歳の男の子は毎日上記のステップをコツコツとこなし、間もなくひとりで制服のシャツが着られるようになったとのこと。できるようになるともっと色んな種類の洋服を着ることにチャレンジしたくなり、今はいち早く、衣替えのあとの冬服用のジャケットを着る練習にとりかかっているそうですよ。
完璧を目指したい優等生タイプには、その都度認める言葉かけが鍵となる
なんでもそつなくこなし、優等生タイプで完璧主義の子ほど、あまりにも高い壁を前にし「できない」と感じるとたちまちのうちにやる気を失ってしまいます。何かにつまずいて癇癪を起こしていたら是非、一連の行動を簡単なステップに分け、その都度「頑張ってるね!できたね!」と認めてあげましょう。
いつも一生懸命に自立に向かって頑張っている子どもにとって、小さな達成感を数多く得られること、ひとつずつ承認してもらえることが大きなモチベーションになります。
一方で、毎日家事や育児に奮闘しているママたち。それらは紛れもなく、複雑なステップを積み重ねることそのもの。
都度自分自身に「できたね!頑張ってるね!」と声をかけてあげることも是非忘れずに♪
全てのママたちにエールをこめて!