お気に入りのぬいぐるみがあることは、依存ではなく強さである
「お気に入りの〇〇がないと寝られないんです」とお悩みのお母さんに朗報です。
その〇〇さえあればどこでも寝られる強みでもあるんです。おばあちゃん家に預けるときも、飛行機で旅行するときも、その〇〇さえあれば大丈夫です。
子どもが何かこだわっているものがあると「依存しているのでは」と心配される親御さんは多いです。確かに子どもが何かに執着する裏側には不安が隠れていることもあります。その不安を取り除いてあげることは必要ですが、それだけが解決策ではありません。
こだわりは、裏を返せば強みでもあるんです。「これさえあれば大丈夫」のお守りだと思って、存分に頼りましょう。
こだわりが強い子はコツコツ努力するエネルギーがある
こだわりが強く、お気に入りのものを手放さないタイプの子は、コツコツ目標に向かうことのできる努力家が多いんです。自分で決めたことを最後までやり通す強さを持っています。小さいうちはこだわりの方ばかりが目につきやすいので「こんなに融通が効かない子は、社会でやっていけるのだろうか」と心配になるのも当然だと思います。
目の前の赤ちゃんが小学生になって係の仕事を黙々とこなしたり、社会人になっていろんな人と協力して大きな仕事を成し遂げている姿を想像してみてください。それができるエネルギーが今は「こだわり」という形で表れているのです。
お母さんは大変かもしれませんが、こだわりのパターンを読めるようになると、一気に楽になります。こだわりを克服しようとせず、そのまま受け入れてあげましょう。
「これがないとダメ」=「これさえあれば大丈夫」
お母さんのフリースの袖を握って寝るのがお決まりのさくらちゃん。暖かくなり、お母さんがフリースを着なくなっても、寝るときはいつもそのフリースがそばにありました。さくらちゃんが幼稚園に入園するとき、初めは行きしぶりがひどくお母さんは苦労していました。
そこでお母さんは、このフリースの力を借りることにしました。袖の部分を少し切り取り、チャームにして幼稚園のカバンにつけたのです。「お気に入りのフリースも、一緒に幼稚園にいるからね」と。するとその日から、玄関で渋ることなくサクッと登園できるようになりました。
お母さんの話では、赤ちゃんの頃は「フリースなしで寝られるようにしよう」と努力したこともあったそうですが、思い切ってこだわりを受け入れ、味方につけて大成功だったと話してくれました。
「そうなんや〜」で理解を示す。こだわりには否定も肯定もしない
「こだわりが強い子」と聞くと、一見わがままのように見えてお母さんは辛いかもしれません。しかしそのこだわりを受け入れて本人の好きなようにさせた方が、ぐっと成長して結果を出すのがこのタイプです。
親が努力嫌いなタイプの場合、こだわりを理解にくく「そんな小さなこと どうでもええやん」と言いたくなってしまうかもしれません。受け入れるといっても、お母さんが子どもと同じように感じるようになる必要はないんです。
「わたしにとってはどうでもいいことだけど、この子にとっては大問題なんだな」というふうに、異文化を受け入れる感覚で認めてあげることが大切です。
子どもがこだわりを主張してきたら、理由や重大さを理解できなかったとしても「そうなんや〜」と言ってみましょう。この一言で子どもは「受け入れてもらえた」と感じることができるのです。