「運動会を休みたい」の裏に隠れた子どもの本音

ゆみ/ライター

私は子どものころから運動全般が得意でした。だから体育の授業は大好きだし、運動会は自分の活躍を家族に見てもらえる絶好の機会。そんな小学生時代を過ごした私にとって娘の言葉はかなりの衝撃でした。

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完璧主義が強すぎて失敗を恐れる娘

私が子どもの頃は、運動会が楽しみで仕方ありませんでした。だから自分の子どもが「運動会を休みたい」と言ったときはまさに青天の霹靂。そんな小学生がいるの?と驚きました。

しかし、改めて自分の小学生時代を振り返ってみると、私も調理実習の日は休みたいと思っていました。家でのお手伝い経験もなく、調理することに自信がなかったからです。私と娘は完璧主義という共通点があります。ところが得意、不得意なところが全く逆だったことで「休みたい」の裏に隠れた本音を見過ごしそうになっていました。

完璧主義な私たちが学校を休んででも避けたいもの、それは失敗することです。ではその不安に対して親として何ができるのでしょうか。一緒に考えてみましょう。

完璧主義に慰めは火に油。失敗したくない気持ちをわかって

私や娘のように完璧主義が強い人にとって「失敗しても大丈夫だよ」という言葉は、自分の気持ちが通じていないようで悲しいものなのです。だって失敗したくないのですから。

このタイプの子は自分が理想とする完璧な自分から、現在のできていない自分を減点方で評価しがちです。そしてできない自分を受け入れられないため、自信がないことは避けて通ろうとします。そんな子には“コソ練”が効果的です。失敗する姿を見られることが一番嫌なので、お友達に見られない場所で練習をさせてあげるのです。

近所の公園ではお友達に出会うこともあるので、少し遠くの公園へ行ったり、時間帯を工夫したりして安心できる環境をつくって練習につきあってあげましょう。

“コソ練”で思う存分トライアンドエラーができた

 うちの娘の場合「ダンスを間違えたらどうしよう」という不安が一番大きかったようです。学校での練習はちらっと隣のお友達を見ながらなんとか過ごしているよう。

そこで、家で練習することにしました。弟や親にも失敗する姿を見られたくないというので、私は練習用DVDだけをセットして部屋を出ました。娘は一人で何度も失敗しながらも練習を重ね、少しずつ自信をつけていきました

。安心して失敗できる環境を用意したことで、試行錯誤しながら身につけることができたようです。何日か経ったある日、「お母さんダンス見て!」と部屋から出てきた娘は、とても誇らしげな表情でした。

人前で失敗するのが嫌な子には“コソ練”がおすすめ

完璧主義が強い子は、失敗を恐れるあまり初めから挑戦しないという選択をすることもあります。ダンスや自転車のように練習を重ねることで乗り越えられそうなときは“コソ練”に付き合ってあげましょう。

具体的に心配の種がわかれば練習でクリアできますが、新学期のように漠然と新しい環境に対して不安を持つ場合もあります。その場合は具体的な対処方法をつたえるとよいでしょう。そのときに大切なのは「失敗したときにどうするか」という対処方法を知っておくことです。

怪我をしたら保健室に行く。教科書を忘れたら友達に「見せて」というなど対処方法が具体的にわかれば失敗することへの不安は減るでしょう。

ゆみ/ライター

私を含め、完璧主義の子には、あいまいな励ましに効果はありません。具体的に一つひとつ不安を解消していくのが近道です。

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この記事を書いた人

わたなべ ゆみのアバター わたなべ ゆみ ままとこネットライター/キッズコーチング®エキスパート

ヨーロッパ在住8年目の駐在妻。
日本人がいない街で初めての妊娠、出産、子育てを経験し“ママがおしゃべりできる場所”の必要性を実感。海外で頑張る駐在ママの笑顔を支えるべく、オンラインでの子育て相談を始める。波乱万丈な人生経験とキッズコーチング の論理的な知識で『安心』と『癒し』を提供。

趣味はハンガリー刺繍とビーズ工芸。KinKi Kidsのファン歴25年。

6歳と2歳の子どもをホームスクーリング中。

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