プレゼントを選ぶのは得意ですか?「実は苦手で・・・」と言う人は、もしかしたら素晴らしい思いやりの心の持ち主なのかもしれません。
お友達に優しくしなさい!では育たない思いやりの心
今回は多くの保護者が子どもに身に付けさせたいと考えている思いやりについてです。
- お友達と遊んでいるときに、お友達のおもちゃをとってしまった。
- 自分の使っているおもちゃをお友達に貸してあげられない。
- お話の順番を待てず割り込んでしまう。
そんな場面を目の当たりにすると、私たち親は「うちの子、意地悪なんじゃないか」「将来、いじめっ子になったらどうしよう」と心配になるものです。特に、公園などでお友達と接するようになったばかりの2・3歳のお子さんをお持ちのママから多く寄せられるお悩みです。
実は心の成長にも順番があります。2歳の子に思いやりを求めるのは、生後半年の赤ちゃんに走れと言っているようなもの。まだ十分にその能力が育っていないだけです。思いやりの心を育むには共感脳という、相手の気持ちを想像する機能の成長が必要不可欠なのです。
思いやりの基礎となる共感脳が育つのは5歳ごろと言われています。うちの子もう5歳だけどできてないよ!と言う方は、この先を読み進めてくださいね。具体的な思いやりの育て方をお伝えします。
5歳になったらプレゼント遊びで相手の気持ちを想像してみよう
子どもが満面の笑みとともに握りしめてきたものを「ママにプレゼント!」と渡してくれます。その手の中にあるセミの抜け殻やダンゴムシを見て血の気が引いた虫嫌いママも多いことでしょう。たとえ虫が苦手でなくても、大量のダンゴムシにはギョッとしてしまいます。
こんなふうにママにとって嬉しくないプレゼントをしてしまうのは、自分と相手が違うということにまだ気が付いていないからです。自分が好きなものは相手も好きに決まっている、と思っています。だから何の疑いもなく、ママを喜ばせるためにセミの抜け殻を集めてくるのです。
そんな子どもたちも、お友達との関わりの中で自分と相手の違いに気づき始めます。
青が好きな子、赤が好きな子、虫が好きな子、車が好きな子、お人形が好きな子、、、いろんな子がいることを知ります。それがちょうど5歳ごろなのです。
思いやりの心が育つとプレゼント選びに変化が
ママへのプレゼントとして絵を描いてくれることがありますね。その内容をよく観察してみると、思いやりの気持ちの成長とともに変化が見られます。
例えばうちの息子の場合、以前は私へのプレゼントであっても
息子が好きな色=青で塗っていたり、
息子が好きなもの=ロボットの絵が書いてあることが多かったです。
しかし5歳を超えて思いやりの心が育ってきた今では
ママの好きな色=紫で塗っていたり
ママが好きなもの=KinKi Kidsの二人が踊っている姿を描いてプレゼントしてくれます。
余談ですが、最近は私がイライラしていると、YoutubeでKinKi Kidsの曲を聞かせてくれます。そんなところで思いやりの心の成長を実感しています。
思いやりの土台は「違う」を知ること
日本人は優しい(やさしい)と言う漢字に、優れる(すぐれる)と言う意味を持たせました。他者に優しくできることは、人として素晴らしいことだという日本特有の価値観が現れていると私は思います。
また、聖徳太子が作った十七条の憲法では、「和を以って貴しとなす」が第一条に書かれていることも同様です。
周りの人と協力しながら、想いあって暮らすことに思いやりは必須です。だからこそ私たち親は、子どもに思いやりのある子に育ってほしいと願わずにはいられないのかもしれませんね。
誕生日やお祝い、旅行のお土産など、誰かに贈り物をする機会は思いやりを育む絶好のチャンスです。例えばおばあちゃんにお土産を選ぶときは「おばあちゃんは何色が好きかな?」のような声かけがおすすめ。ぜひ、思いやりの力を育むことを意識しながらプレゼント選びをしてみてくださいね。
海外からのお土産は、リクエストがない限り食べ物にしています。行ったともない土地の置物をもらっても、嬉しくないと思うので。これが私の思いやりです。