子どもと散歩をしていると、小石、枝、葉っぱ…必ず何かを拾って帰ろうとします。わが家ではそれを“たからもの”と呼んで連れて帰ることがしばしば。するとその“たからもの”は、いろいろなものに変身しながら、様々な遊びで活躍し続けます!
作られたおもちゃには決められた“用途”がある
お店に並んでいるおもちゃはとっても魅力的ですね。でも「買って、買って!!」とせがまれて買って帰ったものの、あっという間に飽きてしまって使わない…という経験はないでしょうか。
逆に、公園で拾ったちょっと面白いかたちの小石や枝では、いつまでも遊び続けていることが多かったりします。
それは、人工物には使う人のために目的や使い方が決まっていることがほとんどで、大人の意図が隠れているため。子どもがその意図に合わせることで上達したり遊べるようになると飽きてしまうからだと言われています。“ゴール”が見えてしまうと、子どもは次の未知なる出会いに向かって進んでいこうとするのです。
自然の中でこそ、子どもは主体的に遊び始める
自然の中にあるものには“用途”はありません。ただそこにあるだけです。
なので子どもたちがそこで遊ぼうとすると、自ら遊び方や使い方を工夫して関わっていかなくてはなりません。自分を対象物に合わせるのではなく、自分の想像力や発想力で自分たちだけの遊びを見つけていくのです。
そこに主体性が生まれ、遊びの中でその主体的な力をぐんぐんと育てていきます。
人工物の用途の壁を越え“新しい用途”を見つける子どもたち
人工物には用途と同様に“使用方法”があります。
主体性を持って遊んだ経験を持つ子どもは、その人工物の“使用方法”を覚えて遊べるようになると、そこから自分なりの発想と経験で違う用途を見出すことができるようになります。もし、市販のおもちゃでも自分なりのアプローチで遊び出していたら、それは自ら関わっている瞬間です。
「こうやって遊ぶのよ」と声をかけたくなりますが、危険でないならばそこをぐっとおさえ、どう関わっているのか見守ってみてください。すると、子どもの自主性はぐんぐんと伸びていきます。
元々持っている力を伸ばしてくれる自然。主体性を育む遊びは無限大!!
小さな子どもたちにとって、自然の中は“たからもの”と“おもちゃ”でいっぱいです。
そこにあるものはごつごつしていたり、ふわふわしていたり、様々な手触りのもの、いい匂いのもの、音の出るもの、色も様々です。その世界にいると、自分の五感をフル活用して楽しみたい気持ちでいっぱいになります。
その気持ちを大切に見守ったり、背中を押し出してあげると、子どもたちは元々持っている力を委縮させずに伸ばしていけます。自然の中にあるものは全てが子どもを成長させてくれる“たからもの”であり学びをくれる“おもちゃ”なのです。
この“おもちゃ”の無限の可能性を確かめに、さっそく外に出かけてみませんか?
自然遊びというとキャンプやハイキングなど、大掛かりなことを想像するかもしれません。でも最初のハードルはもっと低くて大丈夫!公園で落ち葉を触ってみる、お散歩で花の香りを嗅いでみる、などからスタートしてもOKです。
お子さんと自然との関わりを、日常の小さなことから育んでくださいね!