どう使う?スマホ・タブレットとの有効な付き合い方と学力の関係

ゆきほ/ライター

様々な情報のあふれる現在。小学生になれば1人1台タブレットを持つ時代がやってきました。幼児期から使い方を知っている子どもたちにとって、画面を触れば操作できることは当たり前のことです。もちろんそこから膨大な情報が頭に入ってきます。これらと上手に付き合っていくには、うまく活用してインプットだけでなくアウトプットに繋げることが大切です。

目次

脳の成長に影響?早期のスマホ・タブレットは学力を下げる!?

2019年4月、WHO(世界保健機構)は子どもの過度なスマートフォン使用に対しガイドラインを提示しました。これによると1歳未満の幼児には絶対画面を見せないこと、2歳から4歳の幼児には1時間以下の使用とすることと記載されています。これは子育て中の親には、なかなか厳しい文面かもしれません。特にコロナ渦の現状を考えると、使用しないように気を付けること以前に、この情報自体がストレスになりそうです。

しかし実際、スマートフォンやタブレットをあまり使用しないで成長した子どもの方が、学力検査で良い成績を出しているという調査結果があります。動画を見るよりも、ブロックで遊んだり、絵を描いて過ごしたりする方が想像力や自主性が育ち、学ぶ力が高くなるというのです。

ただこれは学習の時間が確保されない使用方法が多かっただけで、学習動画や自主的関わりや想像力を高めるものであれば、これら機器の長時間使用自体に学力は関係ないという見解もあります。

主体的に関わるとスマホ長時間利用のデメリットは回避できる

人間の脳は、血流によって常に十分な酸素を取り入れることで活発に活動します。成長のためにも新鮮な酸素は欠かせません。しかし長時間の電子情報は無意識下で集中することが多く、動画視聴では双方向のやり取りが極端に少ないため、前頭前野への血流が下がります。

前頭前野は記憶力や判断力、行動の切り替え、計画や推論などの認知・実行機能を担っている部位です。この部位での血流の低下は、子どもの脳の成長に大きな影響を及ぼしています。

ここで重要なのは電子情報に対して、子どもが自ら主体的に関わることで血流の低下を防ぐことができるということです。ただ情報を見、聞き流すのではなく、声や動き、手遊びなどをリアルタイムでまねっこしてみる、表示されるクイズや課題に自分なりの解答を出してみる、自分の疑問に根気強く答えを検索してみるなどの関わり方で、随分と血流が改善されます。

外でも使ってみよう!スマホ・タブレットの活用法

実際にどんな使い方をすれば有効的なのでしょうか?子どもは日々の中で情報と主体的に関わりながらインプットと共にアウトプットすることで学びを深めていきます。ここでは、主に外遊びのエッセンスとしての使い方を少し紹介します。

図鑑として使う

デジタル図鑑はよく耳にするようになりました。今、様々な図鑑アプリが存在します。植物・動物・虫など、興味を持った時が学びのチャンスです。無料のものも多いので、さっとダウンロードして一緒に調べてみると身近な自然が学びの場に変身します。

我が家では色見本を調べて、気になる名前の色をさがしに行くゲームをすることがあります。日本古来の色やその名前を知るだけでワクワクします。自然の中にある色は本当に微妙に違っていて、色見本と同じものを見つけるのはなかなか難しく、それでも見つかるととても嬉しい気持ちになります。達成感を共有する瞬間です。真面目に頑張る子であればあるほど結果でなく経過を喜び合うと、学びと共に失敗や結果が出ないかもという不安を乗り越えて挑戦しようという気持ちが育ちます

宝ものを撮って帰る

子どもは小さい石やちょっと長い棒、きらきらした葉っぱやつやつやの木の実など何かしら見つけてくる天才です。持ち帰るにも限界がありますよね。また、その場が採取禁止場所であれば持ち帰ることはできません。木の幹にハートマークが見つかると今度は持ち帰りたくても不可能になります。そんな時は子どもが自分で写真を撮り、家族で発表してみると思い出と共に感性が磨かれていきます。この遊びは気持ちを言葉で伝えることが苦手な子にはとても良い日々の積み重ねとなります。

発展として印刷したり画像加工して写真展のように並べてみることもできます。学年が上がるにつれ新聞や雑誌のように記事にする活動へ繋げていけば、夏休みの自由研究に困ることも、親が一緒に悩まなくても自分で創意工夫していく力がつくこともあります。めんどくさがりだけどみんなに見せて喜ばれることが好きな子には頑張る力を与えてくれる活動です。

撮った写真で表現してみる

宝ものを撮って帰る活動に似ていますが、気に入った風景や建物、人物を写真に撮って、おうち時間で他の作品にかえる活動です。絵にしてみたり、ブロックで表現してみたりすると、空間認知能力や表現力に繋がります。得意な子は粘土や木工で表現することで創造力が伸びていきます。

また、空き箱や空き容器で切り貼りする活動は大抵の子どもが大好きな活動です。作り方に困った時に作り方を検索することもできます。1人でコツコツと極めたい子には魅力的な遊びになることがあります。

鳴き声クイズ

鳥の声の音を聞かせると、鳥の種類を教えてくれるアプリがあります。耳を澄ませていろんな声を探しながら、親子で鳥の大きさや色を予想すると楽しいですね。散歩の途中で聞こえてきたときにさっと調べられると学びのタイミングを逃しません。それぞれ行く場所で聞こえる鳥の声の違いを感じる事ができると、また違った不思議を見つけられるようになります。これはお家の環境によっては家の中でも可能です。ベランダやお庭でも調べてみてください。多方面に興味が行きがちな子には一点集中の力が付きます。

テレビ番組で使われている鳥の声が意外と同じだということがわかったり、まさかそこに住んでいるとは!?と思える鳥だったりすると、ちょっと面白いですよね。

ゆきほ/ライター

お父さんお母さんはどんな風に使っていますか?親の使い方は子どもに大きく影響します。これから先どう付き合っていくか、ぜひ計画をたててみてくださいね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

黒田ゆき保のアバター 黒田ゆき保 ママトコネットライター/キッズコーチング®トレーナー

全ての子どもに『自分らしく生きる力』を。新しい一歩を安心して踏み出せる『心の居場所』を提供。不登校児や特別支援児のサポート、自然体験・野外体験活動指導者として、様々な組織のキャンプの企画に参画。 青少年育成ボランティアの養成にも力を入れ、延べ1万人以上の子どもたちと関わる。

外遊びと絵本、工作と文房具好き。

キャンプディレクター1級/ comfortable place 代表。1児の母。

目次