元営業ママ セールストークで言うことを聞かない4歳児と向き合う

ゆみ/ライター

初めての就職先は不動産会社の営業職でした。トップセールスとして活躍していたときのスキルを、今では子育てに活用しています。

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成長とともに子育ての難易度は上がる!?

トイレトレーニングが終わり、日中は園に通い、夜通し寝られるようになるなど、新生児の頃と比べるとママの体力的には「楽になった」と感じることの多い4歳。

しかし、自己主張が強くなったり、こだわりが増えたり「言うことを聞かない」という新たな壁を感じているママも多くいるのではないでしょうか。

毎日寝不足で新生児をだっこしていたときは「辛いのは今だけ。子どもが大きくなるにつれて楽になるはず」と思っていたのに、子どもの成長とともに違う悩みが出てきて「思ってたんと違う・・・」と感じていませんか?

そんな、ちょっと大人びてきた言うこと聞かない年中さんとニコニコ過ごせるコツを、元不動産屋営業トップの私が、営業スキルを元にお伝えいたします。

Yes, sir! 営業トークを子育てに活用しよう

年中さんの「言うことを聞かない!」にはいいよ話法と言う手法がおすすめです。

ビジネスの世界ではYes, and 法と呼ばれたりします。お客様からの無理難題に対してNOと言わずに、Yes!と返事をするのです。ポイントはYesの後に続く言葉です。

不動産屋さんの一場面を例に挙げてみてみましょう。

(お客様)新築、5LDK、駅前、駐車場2台込みで家賃5万円のお部屋ありませんか?

という無茶な条件を出してきた新婚のお客様。

もちろん希望を満たす物件はないので、代わりに

  • 駅前だけれど駐車場はない新築物件
  • 駅から離れるけれど駐車場が2台置ける物件
  • 新築、駅前、駐車場2台あるけど家賃10万円の3LDK

など、部分的に条件を満たす物件を提示することになります。

そこで、お客様に返す最初のひとことが大事なのです。

(お客様)新築、5LDK、駅前、駐車場2台込みで家賃5万円のお部屋ありませんか?
(営業A)いや〜さすがにそんな物件はありませんね。代わりにこちらはどうですか?
(お客様)新築、5LDK、駅前、駐車場2台込みで家賃5万円のお部屋ありませんか?
(営業B)はい、かしこまりました!こちらの物件はいかがでしょう?新築、駅前、駐車場2台、ただお値段がご予算を超えてしまうんですが。。。

営業Aと営業Bで成約の確率が高いのは、もちろんAです。お客様の要望をしっかりと受け止めたことで信頼関係を築き、お客様もその後紹介する物件に興味を示してくれやすくなるからです。このように相手の意見をまず肯定的(Yes)で受けとめるのがいいよ話法の特徴です。

営業Aのように「ありません」と頭ごなしに否定されてしまうと、契約どころかその時点でお店を出ていかれてしまうでしょう。

私も正直なところ、心の中では「そんな物件あるわけないやん。新婚で5LDKも必要?」などとツッコミを入れていました。それでもお客様の要望を否定せずにお話を伺うと、段々と条件に優先順位がついて、最終的にはご満足いただけるお家をご紹介できるのが楽しみでもありました。

やってることは同じでも「だめ」を「いいよ」に変えるだけ

話を子育てに戻しましょう。いいよ話法を子育ての場面に当てはまるとこんな感じです。

夕飯の準備で忙しいお母さんのもとにやってきた4歳の剛くん。「見て!見て!」レゴで作り上げた超大作のロボットをリビングに見にきて欲しいとお母さんのエプロンを引っ張ります。

お母さんはハンバーグをこねている最中。油でギトギトの手を見せて「今は忙しいからあとでね!」と強く言います。

それでも剛くんの「見てー!きてー!」攻撃が止むことはなく、イライラが募るママ。

こね終わったところで洗剤で手を洗い、ため息をつきながら剛くんのところへ行きます。

「うるさいなぁ。一体何だっていうの?それ今じゃなきゃダメ?」

やっとママに自信作を見てもらえたのに、剛くんの嬉しい気持ちはどこへやら。ママも徒労感とイライラでいっぱいです。

私たち母親の多くが心当たりのあるシーンだと思います。ではこんな悲しい結末にならないように、いいよ話法を使った接し方に変えてみましょう!時を戻して、、、

「見て!みて!」と最初にエプロンを引っ張りにきた時点で

「いいよ!ハンバーグこね終わったらね!」と答える、それだけ

「見て」に対して「いいよ」と答えると、それ以上何度もきてみてと主張する必要がなくなるので、子どもも待つことができるのです。

ハンバーグをこね終わってから手を洗って見に行く、というママの行動は何も変える必要はありません。約束どおり待っていてくれた子に対して「待っててくれてありがとう」と伝えるとさらに、ママも子どもも笑顔で時間を過ごせるようになります。

ママと子どもWin-Winになる伝え方をしよう

自分でできることが少なかった幼児期は、ママが主導権を握る場面が多くありました。しかし4歳ごろになると自分で考えたり、自分で新しいことを思いついたりして「こうしたい!」と言う要望が増えてきます。

その一方で「お母さんは今忙しそう」「お話中だから邪魔しちゃいけないな」などの思いやりの心はまだ育っていない。そんな宙ぶらりんの時期です。

自己コントロール力を身につけている途中のときなんですね。

これまでのように、大人が一方的に「〇〇しなさい!」といってもその通りにしないから、大人にとっては「言うことを聞かなくなった」と感じられてしまうのです。

しかし視点を変えると、それは考える力ややる気が育った成長の印ともいえます。手取り足取りママの言う通りにさせる時期は終わりに近づいているサインです。

営業トークのように相手(子ども)の希望を「いいよ!」を受け止めてみましょう。もちろん危ないことやママが嫌なことは受け入れなくてOK。「いいよ!〇〇に気をつけてね」と条件をはっきり出すのがポイントです。ママがやって欲しくないと思うことにも必ず理由があるはず。

  1. 汚れそう→いいよ、シートの上でだけ遊んでね
  2. うるさい→いいよ、明るい時間にやろうね
  3. 危ない→いいよ、パパに一緒にやってもらおう!

のように、ママの希望をはっきりと伝えるのも大切です。我慢する必要はありません!

そうすることでその後のコミュニケーションがグッとスムーズになり、子どもの癇癪もママのイライラも激減させることができちゃいます。

初めからママの希望や条件をうまく伝えるのは難しいかもしれませんが、今日子どもが「〇〇したい!」と言ってきたらとにかく「いいよ!」と答えてみましょう!きっと最高の笑顔が見れますよ!

ゆみ/ライター

「Youtube見たい!」「いいよ、お母さんがお料理してる間だけね」がうちの定番。料理の邪魔をされずに、お食事ができたら見るのをやめることまでセットで活用しています。

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この記事を書いた人

わたなべ ゆみのアバター わたなべ ゆみ ままとこネットライター/キッズコーチング®エキスパート

ヨーロッパ在住8年目の駐在妻。
日本人がいない街で初めての妊娠、出産、子育てを経験し“ママがおしゃべりできる場所”の必要性を実感。海外で頑張る駐在ママの笑顔を支えるべく、オンラインでの子育て相談を始める。波乱万丈な人生経験とキッズコーチング の論理的な知識で『安心』と『癒し』を提供。

趣味はハンガリー刺繍とビーズ工芸。KinKi Kidsのファン歴25年。

6歳と2歳の子どもをホームスクーリング中。

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